そういえば意外にもタランティーノの作品を映画館で観るのは初めてかもしれない。
そう、この作品は映画館で観るべくして作られたタランティーノ渾身のフィルム映画でもある。
フィルム上映がほぼ壊滅的な今日で70ミリフィルムで撮影された本作。海外ではフィルムでの上映も一部行われているようだ。
残念ながら日本でフィルム公開の予定はない。ちなみに70ミリフィルムの上映設備を整えるには60億円程度あれば足りるらしい(映画秘宝談)
しかしシネマスコープよりもさらにワイドな映像は、昔懐かしさを感じさせるオープニングと相俟ってタランティーノの映画愛をこの上なく感じさせてくれる。
肝心の内容はいつものタランティーノらしく意味ありげな会話と唐突なバイオレンス描写が目いっぱい盛り込まれている。
加えて雪山のロッジという密室で行われる事件はさながらミステリー映画の様相を呈していて、3時間近くある上映時間を感じさせない作りに監督の脚本力と演出の安定力に脱帽せざるを得ない。
R-18指定なので鑑賞の際はご注意を。まあ暴力描写が苦手な人がタランティーノの映画を観るとも思えませんが。