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ヘイトフル・エイトのericaのレビュー・感想・評価

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)
4.6
タランティーノ強化月間⑤

え!??すごく面白かった、、!!!
ここでの評価がタランティーノにしては決して高くはないことと、周囲の評判から何となく自分もそんなにだろうなぁと思っていたので、いい意味で裏切られて最高の気分…😂
かなり悪趣味全開な作品だから万人ウケはしないんだろうけど、私はすごく好きでした(笑)

さすがに187分は長いわ(笑)って思ってたけど、長くない!長く感じない!!
インド映画とタラちゃんのおかげで長い映画余裕になってきた感はある。笑

ただ、ジャケットに大きく掲げるほどの"密室ミステリー"は繰り広げられなかったかなぁ。笑
普通にいつもの会話劇とバイオレンス、ときどきミステリーって感じ。

今作のすごいと思うところ
①豪華役者陣の演技合戦
サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、マイケル・マドセン、ティム・ロスなどタランティーノ作品常連メンバーを始めとした豪華すぎる配役。
もうとにかく登場人物全員が個性的で曲者揃い。
中でも特に良かったのが、カート・ラッセル演じる賞金稼ぎジョン・ルースと、ジェニファー・ジェイソン・リー演じる賞金首の女デイジー・ドメルグのコンビ。

ジョン・ルースは基本的に粗野で乱暴。
デイジーが少しでも気に食わない発言をするとすぐに手が出るぐらい短気なんだけど、時折見せる彼の優しさというか、根っからの悪ではない感じが憎めない!!笑
ヘイトフルな奴らに囲まれてたけど、彼だけは純度100%の善人だった気がする!(笑)
犯人の手配に関して"生死を問わず"でも、絞首刑にするため必ず生きたまま運ぶことに強くこだわる。
その理由が"絞首刑執行人の仕事を奪いたくないから"という優しさ(?)笑
あと、デイジーをぞんざいに扱いながらも、ギターを弾かせてあげたり、駅馬車で食べ物与えてあげたりする、飴と鞭の使い分けの達人
さらに自分が死にそうになりながらも、保安官に危険を知らせてあげる優しさ!!🥺
そしてサミュエル演じるウォーレン少佐の大嘘"リンカーンからの手紙"を簡単に信じ込む超絶ピュアな人。
これが嘘だったとわかったときに、"え、嘘だったの(´・_・`)?"ってしゅんとしたあと、隣で爆笑してるデイジーにイラっとしてシチューぶっかけるシーンは最高に笑った😂😂
この2人のやりとりがなんか漫才みたいですごい面白かった。笑

あと、チャニング・テイタムはいつ登場するのだろうと思っていたら、お前かーーー!!ってなって、割とあっさりお亡くなりになった(笑)
そしてゾーイ・ベルがちょい役だけど出ていました!
彼女の本当の出身地ニュージーランドネタは毎回使うよね。笑

②美術セット
とにかく今作では場所移動がほぼなくて、雪山・駅馬車・馬小屋・山小屋で完結する。
そして物語のほとんどが山小屋で展開される。
山小屋が舞台だから、画面はどうしてもずっと暗めだし茶色っぽいのだけど、ここのインテリアが細部まですごく凝っていて、全然飽きない!!!
配置はこうなってるんだな〜とか考えながら観るのも楽しかったし、ウエスタンなデザインの家具とか毛布とかもおしゃれ。

ラスト、終わり方も良かった。
ジョン・ルースの思いを汲んで、デイジーを銃殺するのではなく、2人で吊るし上げる。
(普通に言ってるけど、だいぶクレイジー笑)
からの"リンカーンからの手紙"を読み上げる。
そして誰もいなくなった(推測)
って感じで終わるのが良かった。

今作も章立てになっていて観やすかった。
時間軸が戻って、こういうことだったのか〜ってなる第5章は重要。本当に見せ方が上手い
よくこんな脚本が書けるな〜って毎度思わされる。
タランティーノ最高だー!!
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