Tako

ゴジラ キング・オブ・モンスターズのTakoのレビュー・感想・評価

2.0
ゴジラを神と崇める監督が撮った作品でした。
映画の出来としてはかなりヒドイ。

昨今さまざまな監督がゴジラ映画を撮っていますが、そのなかでも突出して映画としての仕上がりが悪い作品です……

怪獣という存在がすでに公に知られ、専門の研究機関が対策や研究を進めているという世界観の中、環境テロリストが怪獣を利用して――
というかなり王道なストーリーラインですが、まずもって出てくるキャラクターすべての頭が悪い。

作戦は行き当たりばったり、行動の動機も意味不明。
とくに専門機関の人々の能力が低く、ひたすら愚かに描かれているのが非常に気になります。
とにかく怪獣は偉大で恐ろしく、人智が及ばない存在なのだ! という監督の気魄は感じられますが、人を間抜けにする必要はないでしょう。

しかもかなり恣意的にキャラクターの生き死にが描かれており、どう考えてもそれ死ぬよね? という事態に見舞われてもメインの家族は死ぬことはありません。

キャラクターが愚かで、その動きも恣意的なものになっているため、ストーリーの進行をまったく楽しめないのがこの映画の最大のマイナスポイントでした。

怪獣は偉大なものである、という監督の気魄は随所からあふれてきますが、それを観客に届けようという工夫はほとんど見受けられないのも残念です。

ただ、映像の迫力はピカイチ。
水中を泳いでくるゴジラ、ラドンの空中戦、怪獣のスデゴロなどの臨場感はすさまじく、4DX体験としては最高のスケールでした。
またキングギドラ出現時の音楽の工夫には驚かされましたし、いままでにない発想は素晴らしいものでした。

映画としてはなく、怪獣大暴れ映像として満喫する、と意識すればかなりの仕上がりですのでそういった楽しみ方がしたいんだ、という方にはぜひご覧いただきたい作品です。
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