ホイットモア大統領

ババドック 暗闇の魔物のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)
4.0
夫を失い、発達障害を患う息子サミュエルと暮らすアメリア。仕事や息子の問題行動など、日々のストレスで心の拠り所もない。そんなある日、サミュエルは読み聞かせた絵本の魔物、ババドックが来ると騒ぎ立てるのであった…。

なるほど… この怖さは一筋縄ではない。

先に断っておくと、これはサイコロジカル・ホラーだと思う。
そして、この恐怖が身近に感じられるのは、女性監督ならではの家庭的な演出に加え、現代社会の闇を反映させているからではないか?

もちろん、ババドック自体が怖いのもある。ビックリ演出も無くは無いが、それより家々の影や闇から徐々に忍び寄る過程にゾクゾクさせられた。

しかし上記の通り、仕事・育児・シングルから来るストレスや、横との繋がりの希薄化など、日常の闇を映し出す方がやっぱり怖い。
それらを踏まえて、真意を最後まで観客に委ねる手法は、本作に至っては成功。ここで描かれる問題はそんな安易に解決できないはずだから。ただ、個人的には主人公は精神的にも強いので、全て受け止めたのだと解釈している。

あとは、アメリアを演じたエシー・デイヴィスがこの上なく恐ろしい!やつれ方といい、尋常じゃない叫び方といい、全く知らない女優だったがこれほどの迫力を出せるとなると、オーストラリアでは有名人なんじゃないかな?