イライライジャ

君が生きた証のイライライジャのネタバレレビュー・内容・結末

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

私は小さい頃から敵目線でアニメを見たり、殺人犯に感情移入したり、ニュースを見てても加害者目線で考えてしまう。
テロリスト視点で物語が進む大好きな映画があるのだけど結局殺されてしまう。
もちろん人を殺すのは許されない。
だがその加害者が死んでも世間は同情しない。死んで当然扱い。どうせ世間に犯人の本当の理由や動機なんてわからないのに。
一概に殺す方が悪いと捉える。

この映画は当人達ではなくその家族。加害者家族という描き方ではなく、せめて息子が生きた証にと息子が残した音楽を受け取る。
息子と同い歳程度のクエンティンとバーの観客のおかげで生き生きしているものの、どこか物哀しさが漂う。
他の人の感想を見ていると、加害者の父なのに楽しそうなのが腑に落ちないみたいな人がいる。非難されても仕方ない。当然の反応かもしれない。
でも彼はジョシュの父であり、ジョシュは彼の息子なのだから。
息子の歌なのだから。生きた証なのだから。
彼が償う必要なんてどこにもない。