おらんだ

駆込み女と駆出し男のおらんだのレビュー・感想・評価

駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)
3.6
現在、日本では結婚した夫婦の内、3組に1組が離婚すると言われています。これは、厚生労働省の統計に基づくもの。1000人当たり5.2人が結婚するのに対し、離婚する夫婦は1.77人。
5.2÷1.77=2.93… という計算によって算出された数値らしいです。性格の不一致、DV、不貞、不妊、借金等、離婚理由も多岐に渡り、増加の一途を辿っています。

離婚件数の増加原因については「近年女性の社会進出が…」とか、「景気の悪化によって…」とか色々言われてますが、「ちょっとまって、じゃあ昔はどうだったの?」と言われると、はるか昔江戸時代の離婚率は、なんと現代の二倍!驚きの数字でございます。
これは、そんな江戸時代末期、水野忠邦の天保の改革による、厳しい取り締まりが行われていた時代のお話です。

舞台は東慶寺。夫との離縁を望む妻達の駆け込み寺。様々な理由で伴侶との離別を望む女達の人間模様が描かれます。彼女達は何故寺へ入ったのか、寺での生活の中で現れる心境の変化、彼女達を取り戻そうとする夫との攻防などがお話のメインとなります。

最大の見所は大泉洋の軽妙な語り口。彼の台詞の一言一句がユーモアに溢れていて、観ていてとても楽しい。離婚というヘビーなテーマを扱いながらも、コメディとして楽しめるのは、偏に彼の力によるものかと思います。
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