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駆込み女と駆出し男のOkeydokey999のレビュー・感想・評価

駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)
4.5

No_100
時は江戸、鎌倉の東慶寺にて様々な事情を抱えた駆け込み女たちと、医者見習いで戯作者にも憧れている駆け出し男のヒューマンドラマ。当時の女性たちについての問題を描き出しながら、テンポの良い展開による何処か温かい雰囲気が演者たちの見事な競演を引き立てていました。


(あらすじは紹介してあったので割愛)


公開時にもう既にマークしていた今作を、ようやっと観ることができました!わーい!
大泉洋演じる主人公が一体全体どんな人なのか早い段階では明らかにせず、東慶寺に駆け込むことに決めた女性二人の心の移り変わりというものを懇切丁寧に描かれており非常に好感度高い演出で、最初から私の心はこの作品にベタ惚れ。中でもじょごが怠惰な夫に折檻され家を飛び出し、「死ぬか、戻るか、それとも東慶寺に駆け込むか」の三択から一択を選び出すシーンは同じ女性として胸にくるものがあります…。
自ら駆け込んだ人、駆け込まざるを得なかった人。それぞれ様々な事情を抱えて生きていて、現代にも通じる理由があったりする訳ですが、それでも重たい内容にならずにすんでいるのは、この映画の持つ優しい雰囲気によるもの。たとえ苦しい状況であっても、一定数で気にかけてくれる人がいるということを教えてくれているような気がしました。


泣けるものもあれば、信次郎と女性たちの会話などの側から見ても滑稽でクスリと笑いを誘うものなんてのもある。そんな程よいバランスで出来上がった作品はきっと始終観る人の心を離さないに違いない!
最近の邦画に飽き飽きしている方に、是非とも勧めたい一本でした。
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