Okeydokey999

エクソシスト/ディレクターズ・カット版のOkeydokey999のレビュー・感想・評価

3.0

No_104
ホラー映画の金字塔と謳われる今作。1973年に公開された40年以上前の作品ですが、映像技術に時代を感じる一方で話の展開に違和感が少しもなく、脚本の素晴らしさが際立っていました。


女優クリスの12歳の娘リーガンはある時から何かに憑かれたかのようにふるまうようになる。彼女の異変は顕著になるが、病院の科学的な検査でも原因は判明しない。やがて醜い顔に変貌したリーガンは緑色の汚物を吐き、神を冒涜するような卑猥な言葉を発するようになる。悪魔が彼女に乗り移ったのだ。その後、リーガンの前にふたりの神父メリンとカラスが訪れ、悪魔祓いを始めるが……。


ホラー映画として有名な作品だったので、悪魔がウガーッと現れて逃げ惑う人々、しかし追いつかれて…といった恐怖シーンの連続かと思いきや、登場人物の関係性や一人一人の感情の動きを丁寧に描いていて、怖さは瞬間的なもので後に残らないように感じられました。
脚本に関しても、科学者たちが「悪魔に乗っ取られた」という非科学的な現象をなかなか認めようとせず科学的な治療を勧めるシーンはリアルな分、「いやいや悪魔のせいなんだって!!」ともどかしさ満点だったし、いざ本番と悪魔祓いをする終盤の怒涛の展開には開いた口が塞がらず、オカルトブームに一役買っている訳がよく分かった気がします。


最後まで飽きさせない脚本とは、まさにこのこと。音楽もあの例のテーマ曲が際立つ分、全体的に静けさが印象的で、いつ何かよくないことが起こってもおかしくない、そんな緊張感がずっと続いていました。
ホラー映画に不慣れな自分にとって観やすい作品だったし、何より40年以上前でこのレベルを作り上げた制作陣の凄さに脱帽しました。
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