Okeydokey999

バジュランギおじさんと、小さな迷子のOkeydokey999のレビュー・感想・評価

4.6

No_105
歴史や宗教など様々なことで対立を続けているインドとパキスタンが舞台の今作。信心深いインド男と迷子になったパキスタン少女とそのまわりの人々を通して、対立故に生まれてしまった「憎しみ」をも越えた「愛」の姿を描いた心温まる物語でした。


(あらすじは紹介してあったので割愛)


今作でボリウッドの洗礼を受けた私ですが、今までどうしてボリウッドの映画に触れてこなかったのだろうと本気で後悔…。ダンスと歌が劇中で必ず入るとよくネタにされているのは聞いていましたが、テンポいい曲に(おそらく)ヒンディー語の特徴的なイントネーションがエキゾチックな雰囲気を出し、それに加えて大勢の人々による迫力満点のクセのあるダンスが作品に華を添えていて、一目で好きになってしまいました。
脚本に関しても、ただ迷子の女の子を故郷へ帰すことに焦点を当てるのではなく、その決意に至るまでの主人公の葛藤を描いた場面や、今までの歴史や宗教的対立による「憎しみ」だけで人を見るのではなくその人の本当の部分を見つめて「愛」でもって接するよう訴えかける場面は凄く好感を持てたし、何より迷子の女の子の可愛さが引き立っている!言葉が喋れないという難しい役どころだったとは思うのですが、その分、女の子の表情に目がいって、ちょっとした表情の変化や仕草に全ての感情を込めた演技をやってのけた、ハルシャーリー・マルホートラに感服致しました。


世界情勢に疎い自分でも今作を見るだけで両国間の複雑な関係は察したし、それ故にバジュランギが国籍・宗教に関係なく手助けをしようとする姿に心打たれたし、そんな彼に感化されて助けようとする人々の心の温かさにホロリ。
ボリウッド初めましての人にも、勿論そうでない人にも、是非とも多くの人にバジュランギおじさんとムン二に会いに行って、温かい「愛」の姿に触れて欲しい。そう思えるステキな作品でした。
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