KouheiNakamura

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

5.0
親父の背中。


公開前はマーベル唯一の失敗作になると言われていた前作は、公開するや否やその高いクオリティと作品内に光る様々な革新的なアイディアで一躍世界的大ヒット。新たなSF映画の傑作としてその名を刻んだ。
あれから3年。ジェームズ・ガン監督は、世界中の期待に応える最高の続編を完成させた!それが今作、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミ…いやvol.2だ!!
主要キャストは前作から続投、今作からカート・ラッセル、ポム・クレメンティエフらが加わる。

思えば前作が成功した理由は数多くあった。原色バリバリのカラフルで美しい映像、往年のポップスを中心に選曲された音楽、最高すぎるOP、個性的なキャラクター…。
しかし何よりも個人的に胸を打ったのは、やはり物語だった。幼い頃に母親と死別したピーター・クイル少年が宇宙にさらわれ、やがて新しい家族に出会うまで。前述した全ての要素がこの物語を後押しし、完璧に演出されていたからこそ前作は傑作になった。

そんな前作の続編を作るにあたって、ジェームズ・ガン監督はどうしたか?簡単なことだ、全ての要素を前作以上にパワーアップさせた。美しかった映像はより美しく、ポップス音楽は前作以上に歌詞と物語世界のリンクを深め、OPは前作以上にノリノリに、個性豊かなキャラクターたちの掘り下げもずっと濃厚になった。
そして今作のストーリーは、前作以上にテーマ性を強くした。そのテーマとは、ずばり家族。前作で自身の出自のヒントを知ったピーター・クイルの前に現れる、父親を名乗る男。突然のことに戸惑うピーター。そんな中、ガーディアンズのメンバーたちもそれぞれのドラマを抱えている。
ガモーラは実の妹との確執が、家族を亡くしたドラックスは娘のようなキャラクター・マンティスとの交流が、ロケットは辛い出自故の素直になれなさが、そしてベビー・グルートは末っ子としての無垢さがそれぞれに描かれている。形は違うが、メンバーそれぞれのドラマが家族という一つのテーマの元に見事にまとまっている。
故に前作以上にシリアスな場面も多い(この部分を取り上げてウェットすぎるという意見があるのもわかる)が、同時にジェームズ・ガン監督お得意のオフビートなギャグも増えているのでバランスはしっかり取れている。

そして何よりも今作最大の功労者は、やはりマイケル・ルーカー演じるヨンドゥ!ネタバレになるのであまり言えないが、とにかく全てが格好良い!あるゲストキャラクターとの絡みは最高に渋く、ピーターとの場面はもう…とにかく必見とだけ言っておこう。

スペースオペラとしての完成度は言わずもがな、アメコミ映画と侮らずに見て欲しい大傑作。とにかく楽しいので絶対に見てください!超オススメです!!
KouheiNakamura

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