みりお

脳内ポイズンベリーのみりおのレビュー・感想・評価

脳内ポイズンベリー(2015年製作の映画)
3.3
かるーい気持ちで観始めたけど、メッセージはわかりやすくて、深くて、意外とズドンと来た。

30歳を迎える直前、とっっても好みだけど、年下・定職なしの早乙女に出会ったいちこ。
年齢差や収入格差、そんなものをとりあえず考えないようにして早乙女と付き合い始めたいちこは、他の男性にもアプローチされたり、仕事が軌道に乗ったり、そんな中で何かに、徐々に違和感を感じ始める。
それに気づかないふりをするのか、それとも向き合うのか。

そんな30代女性、しかも結婚や子供や、周りが当たり前のように到達しているステップに辿り着けていない女性の迷いが体現されていて、すごく重かったなぁ。
脳内の葛藤を擬人化してあるのですごくわかりやすい。
楽観的思考や悲観的思考、悟り、感情、それらのせめぎ合いの末、いちこが辿り着いた結論。

"自分を好きになれない人間が幸せになんてなれない。
自分の一部を殺してまで一緒にいる必要はない。
大事なのは、誰と一緒になる自分を好きか
自分自身を好きになるために別れを選ぶ。"

これはさぁ、恋愛だけじゃなく、仕事や家庭や友達や、まさしく30代女性が選択しなきゃいけないもの全てに共通するんだよな。
少なくともいまの仕事をしている自分、会社にいる時の自分を好きじゃないなぁと思っていた私には、重たく響いた。
頭の中の葛藤を、「本音なのか、言い訳なのか」、しっかり整理してみようと思った。
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