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脳内ポイズンベリーのchi6cuのレビュー・感想・評価

脳内ポイズンベリー(2015年製作の映画)
3.0
原作は読んでません。
正直、中盤まではガチャついてて展開も如何にもラブコメな非現実感でテレビドラマ見てる感覚。
なんかー…。って思ってたら話が上手くいかなくなって急に面白くなりました!!
要はなぜ恋をこじらせてしまうのかをわかりやすく具現化したお話。
5つの感情が擬人化して脳内会議するのですが、それぞれの混乱ぶりに主人公の思考的欠点が投影している所を上手く整理して、逆にそれが問題を増幅していく様が巧みです。
恋が成就し平穏に恋人同士暮らしているように見えて崩壊していく自我が大変リアル。
恋が喜びに直結する幸福な人はこの作品には共感できません。
相手を好きになればなるほど自分を好きになれないのは自分の言動が相手にどんな影響及ぼすのか、それがいかに恐ろしいことかを理解した、酸いも甘いも知った大人の恋だからこその弊害かもしれません。
そういう意味で、越智さんというキャラクターは見事でした。役者がカッコよすぎないところがバランスいい。
そして早乙女役の古川雄輝の人間としてのフォルムの美しさが凄まじい。
恋というものが恋である以上は出会って別れるまでが醍醐味であると実感しました。
恋愛ではなく描かれているのはまさに恋であり恋愛の未遂です。たとえ成就しても恋愛に発展しなければ恋からは成長できず、それは誰かのせいではなくあくまでも自我のなす事で、それこそが相性なのだという事でしょう。
そして、すべての幸せは恋愛成就の延長にある、という定説を覆しつつも希望に満ちたエンディングは爽快でした。
「恋がしたくなる!」を目指したそこらの恋映画とは違い、女が1人で観て楽しめる女らしい作品。
役者がみんな上手かった。
ああ、面白かった。
そういえば観る前私はこの早乙女という男の子がどうしようもなく好みだろうな、と思っていましたが、観てしまうとそうではなく、非常に居心地の悪い男性で、そう思う自分に大変安堵致しました(笑)
そして真木よう子は奇形レベルに胸が大きい。顔と体に対してアンバランス過ぎるバスト。おそらく胸を潰すブラをしているけどそのせいで余計に胸が広がってちょっと気の毒。
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