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セッションのJのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

劇中にBGMがないからこそ、シーンごとの沈黙の緊張感がすごく伝わってくる。細かく観るほど、魅力が溢れる作品。

ストーリー性があんまりないから映画としては結構あっさりしてる。ただ、ストーリーと引き換えに、音楽がメイン要素として組み込まれてるから、むしろストーリー性が少ない方が見易くて良いかも。

一言で言えば「意地」やね。師弟の意地と意地のぶつかり合いを描いてる。別の角度から見れば子供っぽいけど、また別の角度から見れば男としての執念が感じられる。アンドリューの認められたい一心で無茶な行動してるのが、一つのことを本気で学ぶ若者の人間臭さがあって見応えあった。

想像以上のスパルタっぷり。観てるだけで精神ズタズタになりそう(笑)。まさに狂気そのもの。時代が変わっていく中でこんな風に怒鳴り散らして指導する人はどんどん消えていくんやろうなぁ。こーゆう指導者のことを肯定はしないけど、100%の否定でもない。意外と1%ぐらいは居てもいいと思ってる。

最後のステージのフレッチャーはかなり胸糞。けど、アンドリューが周りを気にせずに自分の演奏し始めた辺りから、最高にスッキリした。指揮と演奏者が互いのパフォーマンスの良し悪しを握ってる良い例やね。ただ、途中からフレッチャーがアンドリューを認め出したところは少し都合良過ぎるかな。

ストーリー関係なしに、シンプルに役者の楽器演奏に圧倒された。素人でも凄さを感じる。ジャズってここまで繊細な音楽を奏でてたのか。その繊細さが音の美しさを引き出してることに納得がいく。
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