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日没の印象
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『日没の印象』に投稿された感想・評価

現代詩にいくらか馴染んでいる身としては鈴木志郎康と言えばそりゃあプアプア詩とのイメージが当然浮かんで来るわけだが、この『日没の印象』を観ると終始エモいタンゴが流れていることもあってあれとは違い随分とナイーヴだなあ、という気が。ふとしたことでカメラを入手した鈴木が躁気味にはしゃいで生まれたばかりの子供や奥さん、アパートから見える町並みや友人知人をカメラに収める。「カメラのブレは心の戸惑いなのだ」みたいな鈴木のモノローグも登場し(終始舌足らず気味なのが作為めいていないでもない)、初々しさがいいなあと思うと同時にプアプア詩のナンセンスさとはまた違ったある種のセンチメンタルさが鈴木にはあるんだろうな、などと思ったり(鈴木が書いた他者の映画の批評文についてではあるがこの辺りの分裂を上野昴志が批判していた)。ちなみに現段階でフィルマークスに登録はないようだが、『日没〜』と同時上映されたこの3年後の1978年作品『写さない夜』では既に『日没〜』のナイーヴさははるかに後退し、撮ることのモチベーションやら目的と手段の転倒がクセナキスの『ペルセポリス』(最後にジャケが写ります)と共に独白される。ひねくれているせいか(?)こちらの方がどうもしっくり来る。
詩人で映像作家の鈴木志郎康(当時40歳)の「個人的な映画表現の出発点になった作品」(本人談)。

中古カメラ店のウインドウで1930年代の16㎜カメラ「シネ・コダック K」を見つけて手に入れた作者は嬉しくなって妻と子供を撮影し始める。撮り続けるうちに「これは自分の空間論」だと気づく。全編、鈴木監督のモノローグとアルゼンチンタンゴにのせて綴られる。。。

「夢の島少女」(1974)のクレジットに佐々木昭一郎監督と共作で鈴木志郎康の名があり、聞いたことのある名前だったので気になって鑑賞。

1975年の作品だが、白黒の映像とタンゴの印象、語り口のセンスから1960年代の作品のように感じられた。

大半が妻と赤ちゃんの映像。中途に非常勤講師として勤める東京造形大学の同僚と学生の姿。最後に亀戸の自宅マンションの窓からの夕暮れの風景。

初めてカメラを回す喜びが初々しく表現されていた・・・と思いきや、プロフィールを見たら1961年から1977年までNHKに16ミリ映画カメラマンとして勤務していたとのこと。本作の時点でキャリア10年以上のプロカメラマンだったので、自分の観方は誤りだったと思う。

鈴木監督は1963年頃から8㎜で個人映画を作り始め、ジョナス・メカスの影響を受けて日記的な作品を多数制作してきたのだそう。

確かにプライベートフィルムを繋ぎ合わせ朗読解説をつける形式はメカス監督と同じ。しかし始終情感あふれるタンゴがかかり、日本の風景が撮影されているので随分と観やすかった。

個人的にメカス監督の映画を良いと思ったことが無く“権威がある者のホームビデオ”としか感じられない。あれを観る暇があったら自分でカメラを回して自分で観たほうが良いと思うのは、自分が映像制作を生業にしてきたからだろうか。

その点、プロカメラマンがまるで初めてカメラを回したかのように描く本作の方が虚実入り混じっていて興味が沸いた。

動画撮影がスマホの普及で平均化した現在、フィルムならではの特権が活かされないならば、日記映画の価値はますます撮影者の“権威力“に比例すると思われる。
さっ
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カメラを手に入れたこと、身辺を撮ることへの素直すぎる喜びが伝わってきて微笑ましい。おっぱいをしまわずに赤ちゃんのオムツ変えてる妻や、窓の汚れのような本当の生活の一面一面がいとおしい

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