前田敦子氏はここに来て遂に一皮剥けたかな、という印象を感じさせる。これまで演技を観ていて「無理／努力してるんだろうな……」と感じさせたような痛々しさが見られなかったのだ。はまり役、とでも言うべきか。一応原作は読んでいるのだけれど、なるほど映画でしか出来ないトリックを使っているわけか……と「コロンブスの卵」な仕掛けに魅力を感じてしまった（逆に言えば、そこが許せないという観衆も居るかもしれない）。堤幸彦監督らしいチープな CG やコミカルな演出も含めて、なかなかなのではないか。ただ、最後のネタを割るところはちょっと親切にし過ぎなのではないかという印象を感じさせる。あとはやや尻切れトンボの感も否めない。でも、あの終わり方しかないよな……という印象はある。今後の前田敦子氏に大いに期待したくなってしまったのだが……？
