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ライオット・クラブのmiwanのレビュー・感想・評価

ライオット・クラブ(2014年製作の映画)
3.4
ヤリサーのクズお坊っちゃまたちのどーしょーもないお話かと思ったら、それだけじゃなかった。

オックスフォード大学の歴史ある会員制秘密クラブ「ライオットクラブ」には、選ばれし僅か10人のみが在籍を許される。

イギリス階級制度のPOSHと呼ばれる上流階級の、選ばれし「ボクたち」と、ボクたち以外の「アイツたち」の間にはお互いの常識では決して交わることのできない深い溝がある。

そして「ボクたち」とはライオットクラブの10人だけのことではないのだ。彼らはとてつもない強い力に守られ、決して逃れることはできない。それは、身分であり家族でありOBであり先人である。

たとえ「アイツたち」にとってどんなに残酷で非道であっても「ボクたち」には必ず道がある。
そして「ボクたち」が非を後悔し償おうとしても、別の道が目の前に用意される。

その道は大きな河のように「ボクたち」を包み込んで約束の地まで導いてくれるのだ。

何て羨ましくて、何て悲しいんだろう。
約束の道を歩いていく「ボクたち」の顔は、気高く誇りに満ちているようにも、逃れられない悲しみに満ちているようにも見える。
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