あるちう

ヴィンセントが教えてくれたことのあるちうのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

初鑑賞
【あらすじ・感想】
ヴィンセントは孤独な老人だ。仕事も金なく、酒と賭け事に溺れ、借金まみれ。愛人と致しておきながら払うお金もない。酒場ではひとり飲んではつまらないジョークを言い、ひとりで踊り、他人に毒づく。
そんなろくでもない日々を過ごすヴィンセントの隣にマギーとオリバーが引っ越してくる。
借金や愛人への支払い等々の金が必要なヴィンセントは離婚協定中でシングルマザーとして奮闘するマギーにオリバーのシッターを申し出る。オリバーと過ごす時間が増えるうちにふたりは心を通わせていくが。。

アメリカ貧困層の老人をビルマーレイがリアリティたっぷりに演じる。あらすじ紹介どおりのヴィンセントだが、映像にすると言葉で書くよりも更に悲惨だ。でもそれは一部分を切り取ったに過ぎず、彼には彼の美学、誇り、大事にするものがある。それは劇中で語られてくるが、この映画の肝や主張はそこにあると思う。
人を多面的に捕らえ、決めつけないことが大事。人には歴史があり、見えていない部分がある。その見えていない部分でヴィンセントはヒーロー、聖人だった。この映画の作中でヴィンセントには多くの事件が起こる。それでもヴィンセントは変わらない。彼の大事にするものを大事にしながら狡く生きている。それでも良い。それが良い。人間ってこうだ。
日々報われず寂しい、辛い思いをしている人が観ると温かい気持ちになれる映画だと感じました。

【良かった点・好きなシーン】
おじいさん✕少年の黄金パターン。交流シーン全般でグッとくる。オリバー役のジェイデン君可愛い可愛いと思ってたら観終わった後でナイブズアウトの嫌なガキで笑った。順調に出世してたんね。
ビルマーレイが良い!汚くてだらしないのにカッコいい。
芯の通った老人を情感たっぷりに演じている。イケメンじゃないのにカッコいい。こういうおっさん、じいさんになりたい。
あるちう

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