ロンドン・オリジナルキャストの舞台(映像版)
前回のレビューでは、主にキャストや舞台と映画の違いなどについて書いたので、今作は少し違う角度から。。
(自分語り注意報、出しておきます!)
記憶を辿ると、私がミュージカル舞台にハマったのは、社会人になってから。
それまでは、値段も敷居も高くて映像では観れても学生の身分では、そうそう舞台にまでは足を運べなかった。
なんだかんだ言って、学生時代はあーだのこーだの上から目線で世の中を見ていたけれど、社会に出た私は、その余りに厳しい荒波にのまれてしまい、、
結果、溺れた。。
そんな失意の中で観た映画、舞台、読んだ本、出会った人達は、私にとって止まってしまった時を再び動かす原動力になったんだと思う。
"Cats"もその中の一つ。
仕事を辞めて、再び何者でもない自分が何者なのか?探し始めた私は、とりあえず"好きなことをしよう"と思った。
何かの役に立つから、とか、そんなんじゃなくて、とにかく好きなことしかやらない!と決めて、失業保険が切れるまで、時間もお金も自分の好きなように使おうと。20代半ば、若くて一番良い時のはずなのに人生の中でも結構辛い時期だったなぁ。。
その頃、大阪は難波のCatsシアターで劇団四季が評判のミュージカルをやっていると聞いて、私は一人で繰り出した。
大阪の南の方にはあまり行かない私が、シアターの旗に誘われて。。
ガツーーーン!!とやられた。
音楽に鳥肌、キャストのネコ達に興奮❗️
何ですか、これは⁉︎
ストーリーはわからない、説明もない、
韻を踏んだ詩のような歌詞、キャッチーな歌の数々、
色んなネコ達が集い、今宵最高のジェリクル・キャッツは誰なのか?華麗なダンスや歌で表現し、競い合う。。
なんて楽しいの⁉️
これは、理屈じゃない。
楽しいか楽しくないか、そんなの頭で考えることじゃない!
感じることなんだ。。
普通の舞台と違って、円形になった劇場は
隅から隅までCatsの世界だった。
ゴミ捨て場のネコ達のいる空間に、自分が紛れ込んだような錯覚に陥る。(最近知ったのだけれど、よく見るとご当地のゴミがセットされているらしい。大阪ならたこ焼き、とか笑)
途中、舞台から降りて客席の通路をしっぽをブルンブルンさせながら踊るキャスト達に、もう少しで手が届きそう!!(キャストの汗や息づかいがリアル♪)
自分を見失って心にポッカリ穴が空いた私に、Catsの舞台は本当に大きな"JOY"を与えてくれた。
最高ーーー❗️
そんな原体験があったので、正直映画のキャストにはちょっと、うーん、、なところがあったのだけど、これも観るタイミングなのかな、とも思う。
とは言え、やはり舞台版は素晴らしいなと改めて。。
私が一番好きなネコは(皆それぞれ大好きだけど)、やっぱりヴィクトリア♪
忘れていたが、その後一念発起して行ったロンドンで一緒にCatsの舞台を観た妹から「あの時も白いネコが一番好きって言ってたよ」と聞かされた。
あんな風になりたい!って思ったのかな。
それからの私は、クラシックのコンサートやミュージカルを浴びるように聴いたり観たりした。
それで、劇団四季のキャストになりたい!とはならなかったけれど笑、自分の居場所みたいなものは確実に大きくなっていったことは確かだった。
人生がうまく行かなくて、情けなくて、自分が生きてる意味なんてないのかも…って思うことがあっても、こんなにキラキラした素敵なものを観ないなんて、どうかしてる!もっともっと観たい!
そう思った時に、私は人生の意味を見出していたように思う。
だから、、
グリザベラが選ばれたのはキリスト教が下敷きになってて…とか、難しいことにもアプローチしようかと思ったけれど、敢えてしないことにした。
掘ると深いし、それこそ人生全てなんじゃないかと思う。本当に附に落ちるには、もっともっと時間がかかりそうな気がする。
死ぬまでに辿り着けるのかな、、と思うくらい。(グリザベラ役のエレイン・ペイジはこの当時30歳前後。もっと年配の役者さんだと思っていたので、改めてびっくり!メイクと演技が素晴らしい。。)
だから、私にとってCatsはシンプルに"JOY"。
それだけで十分なんだ。
ジェリクル・キャッツ=ジュエリー×ミラクルなネコ🐈
いつか私も人生に磨きをかけて、最高のジェリクル・キャッツに。。♫
*追記
今作のDVD、新作映画の前に観るのはよそう、と思って先に映画を観てから探すも最寄りのレンタル店での取り扱いはなく、やっぱり買うしかないよなぁ、、と思っていたら、近くの楽器にて3枚セット3千円で売ってた!
レミゼ(コンサート版)とオペラ座とCatsの組み合わせ、、最高🎶
これは何回も観たくなるから、借りるより買った方が早いです!