QTaka

ガンバレとかうるせぇのQTakaのレビュー・感想・評価

ガンバレとかうるせぇ(2014年製作の映画)
3.5
感情が入り乱れる。
でも、その感情の方向が全然合わない。
ちぐはぐな感情は、やり場のない怒りになるしかないのかな。
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サッカー部、マネージャー。
一体、自分は何なの?
「試合に勝っても褒められることもないし、
負けて責められることもない。
そんな存在。」
劇中、何度か主人公がつぶやくように流れるセリフ。
集団の中の孤独なのか。
それとも、この集団自体がばらばらなのか。
それとも、ここは、もともと自分の居場所じゃなかったのか。
残るべきか、残って次の大会のチームを支えるべきなのか。
それとも、コーチが言うように、自分の道を見つけるべきなのか。
様々な葛藤が浮かび上がる。
シーンごとに、胸中に現れては答えもないまま消えていく問い。
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シチュエーションは、青春映画その物なのに、いわゆる高校生のトレンド映画にはならない。
それは、ただ一人、主人公のみを追っているから。
そして、そのことで、この映画は青春映画でありながら、深く心の動きを見せる映画になっている。
答えの無い問いと向き合いながら生きる姿を丁寧に追うことで、鑑賞者の意識に新しい視点を与えてくれた。
じっくり見られる映画だった。
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