※ネタバレはコメントにて。
2019年劇場鑑賞7作目。
ありがとうアベンジャーズ
本当に…
…
本当に…
『ありがとう』
それしか言葉がみつからない…
この映画の感想を一言で表現するとコレに尽きます。
この作品の素晴らしいところは単体の質の良さだけではない。
11と21なのだ。
この数字は何なのか。
一つは世界に複数のヒーローが存在するという世界観をコンセプトに掲げたマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)がこれまで旅してきた年数だ。
もう一つはその年数に公開してきたMCUの作品数。
2008年、マーベルが映像作品部門としてマーベル・スタジオを作りその第一弾としてアイアンマンを発表した。
それまでアメリカではヒーローといえば、スパイダーマンとバットマンとスーパーマンがほとんどで、アイアンマンの知名度は低かったという。
そしてマーベルは経営難によりスパイダーマンやハルクなどの映像化権利を他社に売ることによって食いつなげてきた。
そんな崖っぷちの会社がMCUなんて大博打を打つなんて誰も予想だにしなかった。
そんな大博打をケヴィン・ファイギプロデュースでジョン・ファヴロー監督が周囲の反対を押し切り、ドラッグやアルコール問題の過去があったロバート・ダウニーJr.を主人公トニー・スタークに起用した。
これはトニー・スタークの破天荒な人生がRDJの人生と重なっていたから。そして圧倒的な演技力でトニー・スターク役を勝ち取ったという。
果たしてアイアンマンは見事に成功した。
奇しくもその年は、革新的なストーリーとメッセージ性でシリアス路線の代表作となったDCコミックのダークナイトの公開と同じ年だった。
アイアンマンのエンドロール後、眼帯をつけた男ニック・フューリーがトニーに話しかける。
『自分がより大きなものの一部に過ぎないことを知るべきだ。
アベンジャーズ計画がある。』と。
より大きなものの一部というのは他でもないMCUの比喩でもある。
そしてこの時点でニック・フューリーなんてコアなアメコミファンしか知らない。何だ?アベンジャーズって何なんだ?
多くの者が?を思い浮かべた。
そこからの快進撃。
続く、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカで一定の評価を得た後、満を持して、集大成第一弾であるアベンジャーズを公開。15.188億ドル(日本円で1690億)を売り上げ映画界の歴代興行収入6位になった。
知名度の低いキャラを人気キャラにするメソッドを得たマーベルは、更に知名度の低いガーディアンズ・オブ・ギャラクシーをスマッシュヒットさせ、去年にはブラックパンサーをアカデミー賞作品賞にノミネートさせた。
アメコミの作品がアカデミー賞になったのだ。
この快進撃は常にマーベルがアメコミというエンターテイメントの中に現実社会を風刺させ、作品毎にカラーとジャンルを変えることによって観客を飽きさせない工夫をしてきたからだ。
そうして11年と21作品を積み重ねたキャラクターたちのドラマが、今回のエンドゲームで本当の集大成を迎える。
これだけでMCUを知らない人でも、この作品がどれだけのリスクの中、成功させ積み重ねきたバックグラウンドを持っていることがわかるだろう。
だから。
だから全くMCUを観ていない状態でエンドゲームを観ても勿論楽しめると思う……しかしやはり全作を観て欲しい。今からでも遅くない。この作品を観たことは、後に人生の有用な体験になることは間違いない。次世代にオレは、私は、エンドゲームをリアルタイムで観たんだよときっと自慢できる。
3時間という長尺の中に詰め込まれた11年と21作のドラマ。終わってほしくないが終わってしまう。一つの時代を築いたMCUの歴史的な瞬間をリアルタイムで観ないでどうする。
最高に笑って最高に切なく、最高に泣けてやっぱり最高に笑って楽しめた。
紛れもなくオールタイムベストだ。
ありがとうアベンジャーズ。
…
ま、この22作品をインフィニティ・サーガと名付け、フェーズ1,2,3(第1章とかそんな感じ)をまとめてウェーブ1だよって言い放ったプロデューサーのケヴィン・ファイギはどう考えても頭がおかしいと思います(褒め言葉)
つまりこのドラマはもうちっとだけ続くんじゃ。
ということで次回作はスパイダーマン:ファー・フロム・ホーム!
何でもエンドゲームのラスト数分後から始まるそうです!やっぱり頭がおかしい!笑
と、ここまで鑑賞前まで書いてました。そうなると信じて。点数も5にしてました。
ここからは鑑賞後の感想です。ネタバレはありません。
正直に一回観た感想を書くと、大変楽しめたし泣けたけど胸を張って傑作とは言えませんでした。その理由はラスト周辺の展開ですね。納得できませんでした。
よかった。良かったけど…となりました。
心が受け止めきれてません。