るる

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のるるのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

つれづれメモです。

ちょっと期待し過ぎたかも…

この監督の作品ってやっぱりちょくちょく間延びして感じるな…

ハリポタは原作を知った状態で観てたから大丈夫だったけど、今回、原作を知らない物語をハラハラしながら観ている…という感覚に陥ってしまった。うーん。行間を読みすぎたかも。

ニュートサイドとクリーデンスサイドのバランスがイマイチ…緩急も…どうせならニュートに絞って見せてほしかった気がする。

5部作だもんな…と考えながら観ちゃった。

キャラクターは良かったけど、安心して観れるキャラクターがいなくて、うーん…コワルスキーは良心だったけど。殴ってくれて嬉しかったな。

ニュートくんが思ったより奇人だったなあ、ハナっから目の焦点があってないから、CGの動物たちと目が合ってなくても気にならないという…いや面白かったけども。大好きだったけども。

常識人としてのティナが、もう少し掘り下げられてたら良かったかな…

クイニーは魅力的だったと思う。ハリポタでは不遇を被ってたタイプの、女性らしい女性像だけど、嫌味がなくて、素敵な造形だった。でもあと一歩、なにか、欲しい感じ?

ティナの目的の曖昧さがなあ…もったいない…

アメリカの闇祓い大丈夫かよ!!っていうね。

処刑未遂シーン怖過ぎじゃない?? 裁判もなしにあんな?? 一存で?? 刑の執行官の女性たちも怖かったな?? 服従の呪文でもかけられてたんだろうか??

ジョニー・デップについてパンフにも載ってないってどういうことなの…サプライズ・ゲストなんだろうけど…あんまり効果的に感じなかったな…

巨人が普通にいたり、小鬼が杖を持ってたり、ハリポタ舞台の1990年代イギリスとの違いを散見して面白かったけど、
アメリカでは魔法界がどんなふうに人間界と共存してるのか、設定をもっと感じたかった気もする。
1920年代NY人間界がそもそもセットだからか、表裏で存在する魔法界との対比がイマイチ感じられなかった気がする…

ハリポタ界の魔法省に相当する議会、権力側の活躍より、アウトサイダーである彼らの活躍に焦点が当てられていくんだろうな、という予感はしつつ、世界観の軸足というか、基盤が見えてこなくて、ちょっとまだ物足りないかな…

ハリーは子供で、政治家の都合なんかに振り回されたくないと突っぱねる立場で、帰るべき場所はホグワーツで、わかりやすかったけど、
規則違反で左遷されたというが、実力がよくわかんないティナに関するカタルシスがイマイチで、
こう、バッジを取り上げられた捜査官によるお手柄、という定型の物語のはずなのに、同僚との関係が見えてこなかったし、闇祓いの職に戻りたいという目的より本人の正義感が際立つ形で、
今後議会に戻って何をしてくれるだろうかというワクワクに乏しくて、うーん…

5部作だもんな…?

アメリカではイギリスと違って魔法族と人間との結婚が認められてない、ってことは、いわゆる純血主義が根強い土地柄ってこと?? それ以上に魔法族は力を隠して隠れなきゃいけない意識が強いってこと? 黒人と白人の結婚が認められてなかった当時の時代背景を反映してる?? コワルスキーとクイニーのその後が気になる感じ。

というか、描くのが難しい時代だよなあ。人間界ではありえなかったけど、魔法界では黒人女性が議長だったり、キャリアウーマンがいたりしたんだよ、ってことなんだろうか…でも、ノーマジの黒人は出てこないあたり、なんかちょっと、ずるい感じがするなって…?

作中で危惧されてた、魔法界vs人間界の戦いってのがピンとこなくて…だって戦いになるか??
中世の魔女狩りから続いてる、アンチ魔法族の勢力が存在してるってことなのかな…? でも魔女ハンターがいるってわけではない?
というか中世の魔女狩りって深く掘り下げると宗教と女性蔑視が絡みすぎるから、あんまり連想させられると物語に集中しにくいんだけど、
アメリカが舞台なのにセイラムの名を冠するのがよくわかんないなって???
と思ったけど、セイラムはアメリカだ!別に間違ってない、合ってる!

スーダンの抑圧された少女の話…なんでスーダン…? 当時イギリスとエジプトの植民地で独立運動が起きてたの?? 2016年の視点で見ると、意味深に感じちゃう…

ハリポタは、純血主義を振りかざす闇の勢力への抵抗の物語で、こう言っちゃなんだけど、過去の歴史、ナチスという絶対悪の否定で、わかりやすい…勧善懲悪で、
とはいえ、魔法族以外に対しての差別は歴然として存在してる世界で、あちこちにエスタブリッシュメントの匂いがしたわけだけど、

今回、まさか、宗教戦争、民族紛争、人種問題をテーマにする気なの…?
JKローリングはアムネスティ・インターナショナルにいたことがあるひとで、良くも悪くも、上から、与える側、救う側、解放する側、もっといえばブルジョワの白人側からの物語しか書けないひとではないか、シングルマザーとしての貧困生活を経験している、ルサンチマンを抱えているぶん、傲慢を自覚しにくい位置にいるひとなのではないか、と思っているので、
大人向けを意識するわりに一面的な正義しか描かれないようだったら嫌だなあ…と危惧してるんだよね…
そこに、アメリカ的な、保守的な宗教観が絡むと嫌だなあと思ってるんだ…大丈夫、うまくやるだろって信じてるけどさ…
魔女が題材とはいえ、キリスト教も他宗教も連想せずに見たいんだけどなあ…大丈夫かなあ…ちょっと心配…

変わり者とか、アウトサイダーには優しいんだよね。それはいいんだけどさ…

だってなあ、クリーデンスくんかわいそうだった。ちゃんと救済してあげてくれよ!!
孤児で、養母に虐待されて、助けてくれると信じてた魔法使いにも裏切られて、テロ起こして、問答無用で殺されるって、夢も希望もねえよ、犯人を問答無用で射殺するFBIかよ、アメリカ製ドラマかよ…

ハリーも孤児で虐待されてた、クリーデンスは、その対比になるキャラクターなのかなあ…
ニュートはハグリッドだったりルーナを思わせるキャラクターだったけど…

でも5部作…再登場ある…? 救いはある…?

小説で読みたかったかもなあ…

私は、JKローリングはいっぺん女主人公の話を書いてくれよ、それ書いてくれないと、いま現在の貴女の、アクティビストとしてのもろもろの主張と合わないんじゃない?と思っててな…
ハーマイオニーはまさに作者の分身のようなキャラクターだった、そのハーマイオニーを演じたエマ・ワトソンの活躍は言うまでもなく素晴らしく、ローリングの生み出したキャラクターが女の子たちのアイコンとして機能してる、それはもう素晴らしい功績だと思ってるんだけど、
一方で、ローリングはハリポタ内で、自分の嫌いな女像にはかなり、あまりにも辛辣だったんだよな…占いに勤しむ女の子たちとか、あからさまにバカにしてたんだよな、
今回の映画で、あ、ローリングってやっぱり、根本的に、女を描くのが苦手なのかな、というか、思い入れがないんだろうな、と思っちゃって、うーん。ううーん。

なんだろうこの、うまく言えない、もやもや。
ハリポタへの期待、個人的な幻想が大きすぎるんだと思う。うーん。

ただもう、魔法動物たちは最高だった。人間パートはいいからもっともっとニュートとコワルスキーと動物たちの追いかけっこを観たかった。

目を爛々と輝かせたまま狸寝入りしながら、トランクの中に入りたがってるニュートくん可愛すぎたし、トランクの中で動物と接してるときが一番幸せそうなニュートくんが微笑ましかった。

ライオンの登場、気が利いてたな。
カバ。エルンペント。求愛のダンス。面白かった。
ニフラーかわいい。お茶目だった。
ボウトラックル…人語を解するのかよ愛しいな…

しかし、アクシオ 来い! をもっと活用しなさいよ!!!ってずっと思ってた。

記憶を消す雨に打たれながら魔法使って大丈夫なの??

などなど、魔法に関するツッコミどころが多い!!!!

街を直す様子、美しかった。でもなんというか、災害の少ない国の発想だなって思っちゃった。あれができればどんなに良いか…

そうそう、冒頭、1990年代イギリスの魔法界と1920年代アメリカの魔法界は繋がってるけど、英語圏で暮らす彼らと、日本の魔法界が繋がってるとはどうしても思えなくて、ちょっと悔しかったな…
大人になってからハリポタの世界から切り離されてしまった気分…想像力の限界にぶち当たってしまった気分…

でも、続編以降に期待したい気持ちはある。

レストレンジ家はどう絡むの??

1945年のグリンデルバルトとダンブルドアの対決は描かれるの??

謎が多すぎる…楽しみ…

あ、そうそう、3D向けの絵作りが散見されて、2Dで見たことをちょっぴり後悔。でも、アトラクション映画にしては中途半端では?? トランクの中は本当に素敵だったけども…あそこだけ4DXで体感したいかも

うーんうーん…音楽もなあ、もう一捻り欲しかったかな…印象的なテーマがなかった、ジャズの雰囲気は良かったけど…全編ジャズでも良かったくらい…1930年代なあ…

コワルスキーの笑い酒はよかったな…あのパンいいなあ、食べたい…

続編に期待…
るる

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