みそらしど

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密のみそらしどのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

公開されてすぐの映画を観に、映画館へ行ったのは少し久しぶり。

やっぱりウィザーディングワールドの世界観はワクワクする。
前2作のように、今作でも観客が入り込めるような工夫がたくさんなされていたのだろうな。1回目だったから、どう工夫されてるかまで気が回らず、単純に引き込まれてました。

グリンデルバルドのキャスト変更があったけれど、マッツ・ミケルセンは重厚感(?)があって、今回のストーリーにおける「指導者感」みたいなものはうまくマッチしてたように思った。ただ、もし前キャストの彼がやっていたらどんなだったかな…とは単純に興味で考えてしまった。

クリーデンスが抱える辛さがさらに強く感じられた今作だったけれど、予想していたよりも割とサクッと事実が判明して、彼の苦しんできたことの"結末"が近づいた(来た?)んだな…と思った。彼に苦しんで欲しかったわけではないし、映像化にあたり描写の印象が弱まっただけなのかもしれないけれど、もう少しクリーデンスにフォーカスして描いて欲しかったかな。
ただ、エズラ・ミラーの見てると痛くなるような悲壮感や追い詰められている人間のの纏う空気の表現に、短めなシーンでも引き込まれた。他の彼の出演作もまた観たいなという気持ちになった。

最後に、自分なりにこの映画のテーマを1つ絞るとしたらなんだろうと考えてみて、「失って初めて気付くこと」なのかなぁとやや強引に捻り出してみた。
・ティナと会えていないニュート
・リタを失ったテセウス
・離れ離れになっていたクイニーとジェイコブ
・クリーデンスを(悪く言えば)捨ててしまったアバーフォース
・妹の記憶をグリンデルバルトによって消されたユスフ
以上に挙げた人たちは大切なものを失ってから想うことや改めて感じることがあったり、失うことと向き合ったりしたのかなぁと思う。その後にとった行動はそれぞれだったけど。
バンティーがニュートに言った「でも本当は、心では気づいているのでしょう?」みたいなセリフが伝えたかったことなのかな。というか、わたしにはその台詞が一番印象的だった。本当はわかっていて、後悔することまで気づいていて、なのに行動を起こせないことってあるからなぁ…と自分のことを振り返ったせいかもしれない。
この作品は映像や世界観、魔法界というストーリー性に魅力が詰まった作品なので、無理にメッセージ性を見出さなくてもいい気もするけど、強いて言えばって感じだけど自分なりにテーマを考えてみました。