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ピエロがお前を嘲笑うのKのネタバレレビュー・内容・結末

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「大どんでん返しムービー」「100%見破れないトリック」などと銘打たれていましたが、期待ほどではありませんでした。いい加減いかにも広告代理店が考えてそうな大袈裟なキャッチコピーやめたらいいのに。無駄にハードル上げるだけのように思えます。

以下ネタバレありの評論です。

この映画の結末は、ハッカー集団CLAYの正体は4つの人格を持つ多重人格者であり、単独犯であると、思わせておいて

実は本当にCLAYのメンバーは全員存在し、主人公は証人保護プログラムを発動させ、別の人物となり、CLAYの他メンバー達と共に何処へと去って行った
という、2連続で話をひっくり返すというものです。

諸所に「ファイトクラブ」のオマージュと思わせるシーンがあり、やりたいことも分かるのですが、「どんでん返し」が目的化してしまいそれに至るまでの話運びや動機付けにイマイチ納得ができませんでした。

今更単独犯を装う無意味さ、指紋をベタベタ残したり、簡単にサーバールームに侵入できちゃうほど杜撰な警備体制、机の下に隠れてもやり過ごせちゃう警察の脇の甘さ、挙げればキリがありませんが、一番納得できないが、そもそも2重にトリックを仕掛ける理由がないように思えるんですよね。

「いやそんな回りくどいやり方しなくてももっと他にあったのでは、、、」と思ってしまい、そうせざるを得ない状況をもっと分かりやすく描写していれば、また違ったのかもしれません。

そういった納得できない要素が序盤から積み重ねられ、いざ種明かしをされたところで、それ以前に引っかかっている時点でなんの爽快さもないんですよね。

観客を騙すのであれば、語り手含めて100%それが事実であると信じ込ませるのが大前提であり、それが疎かになると結局映画全体の評価も下がってしまうんですよね。

今作はハリウッドでのリメイクもされるみたいなので、そっちに期待したいと思います。
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