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いつだってやめられる 7人の危ない教授たちのRenのレビュー・感想・評価

3.5
スコアは微妙ですが、普通に楽しめました。イタリア映画はそんなに観たことがないのですが、全編軽いノリで観られる、ケイパームービーの佳作だと思います。

大学教習が仲間を集めて、合法分子でドラッグを作り密売する犯罪もの。諸々のガイ・リッチー作品や『オーシャンズ11』の系譜。
冒頭20分のちょい胸糞展開連打がトントン進んで心地良い。
クラブのシーンに顕著に見られる、映像美とは程遠い安っぽくてギンギンの照明も、ドラッグっぽさが感じられて良かったです。

学歴や能力があるのに低収入の職につかざるを得ない現実から着想を得たそうで、かなりそのテーマは露骨に描かれていました。そんな彼らが脱法行為に走っても「いつだってやめられる」などと言っている矛盾が皮肉で面白かったです。元はある分野のエキスパートたちなので、何かある度に専門分野について早口で話し始めるのが、ギャグにもなっているし、彼らが優秀な人材であることを最後まで忘れさせない。

ケイパーものらしく、ラストでよりエンタメとしての楽しさがどんと上乗せされるのもgood。独白オープニングが切り取ったシーンも丁度盛り上がる良いシーンだったし、裏側で実は...な展開も、大それたものではないけど充分満足できるものでした。そしてエンドロール直前まで、皮肉と意地悪さを忘れない。

全編陽気なハッピーボンジョルノムービーという訳でもないけど、ストーリーはシンプルでそれこそガイ・リッチーとかよりも分かりやすく私は好きです。シリーズ3部作の内残りの2作についても続けて感想を書いていこうと思います。
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