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スター・トレック BEYONDのtetsuのレビュー・感想・評価

スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)
4.2
去年は受験期で中々観れなかったため、念願のシリーズ最新作をついに鑑賞!

宇宙での長い旅も3年目を迎えたカーク艦長とUSSエンタープライズの船員達。長い年月の中で終わりのない不安を抱えるカーク、そして、彼の相棒・スポックも人知れず悩みを抱えていた...。しかし、彼と船員達を脅かす大きな試練は刻一刻と近づいていたのであった...。

J・J・エイブラムスがスター・ウォーズに引き抜かれたため、どんな出来になるのか不安ではあったが、やっぱり面白い!!笑笑
監督は勿論ながら、今回から脚本を手伝うことになった船員"スコッティ"ことサイモン・ペッグも過去作をリサーチしたそうで、彼の頑張りも相当プラス要素になったのだと思う!

まず、長い宇宙の旅で苦悩する三年目の艦長という設定が良かった!
3作目となると完結編が多いので、上手くシリーズをまとめるか、失敗するかの2択が多いのだが、今回はカーク艦長の5年の航海の途中なので、そうした心配は一切なし。笑笑

また、字幕で観ていると星雲のことを英語のセリフで"ネビュラ"というし、今となっては緑の宇宙人でお馴染みのゾーイサルダナが出ていたり、ジェイラという新キャラクターが若干ネビュラ(というキャラクター)に類似しているところから、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を意識せずには、いられなかった!笑笑

今までは父親代わりの役目を果たしていたパイクが、前作でカークの元を去ったために、今回は実の父親について多く言及される。
一作目のわずかな出演シーンながらも、圧倒的な存在感を発揮した父親役(アベンジャーズの「マイティ・ソー」こと)クリスヘムズワースは、次回の作品で本格的に関わってくるそうで、その伏線にもなっていたのかもしれない!

特筆すべきは、ヴィラン(悪役)が練られているところ。
序盤こそ、あまり特徴のない宇宙人だなぁー、と思っていると終盤で彼の正体が明らかになった瞬間、一気に今回のテーマ性が明白になった。
本当のリーダーとは何か?そんなことをカークに見つめ直させる名悪役だったと思う!

最後に、2015年に亡くなったレナード・ニモイさんに対する製作陣の愛には心が揺さぶられた。(特にクライマックスの写真と音楽は、レナードさんにとって、これほどのものはない幕引きだったと思う。)
また、アントン・イェルチンさんの活躍がもう観れなくなるのは悲しいが、彼らの名演はこれからも作品の中で生き続けると思うと、映画の素晴らしさを改めて実感した。

一歩先を越える(=Beyond)ためには、深く考え、悩まなければならない。
そんなバネの様な(スポーツ選手でいう"プラトー"の様な)時期を描きつつ、娯楽作として完成された本作は、シリーズを1つも観てない人にでもオススメしたい傑作でした!!
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