ハシビロコウ

あんのハシビロコウのネタバレレビュー・内容・結末

あん(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

アップリンク吉祥寺にて。
邦画は母語でやるぶん、洋画に比べて「演技してるのがわかる演技」がすぐわかるけど、映画を見るときはあたかも実在の人物かのように登場人物を観たいので、あまり観ない。
が、この映画の主人公二人は全く実在の人物のようですばらしかった。
その理由を考えてみると、実在の人物のように発語が聞き取りづらく、実在の人物のように無表情で、実在の人物のように外からわかり得ない事情を抱えている、ということかなと思う。
喋るときの文法のテキトーさや脈絡のなさなんかもリアル。

映画やテレビ界隈の人は、表情と喋りだけじゃなく、肉体全部で演じるということをもっと信じていいんじゃないかなと思った。

ハンセン病の人達が残してきた膨大な情念が、徳江を通して自分の心中に刻まれるのを感じた。