ディオールが好きでも興味があるわけでもないのに、華やかなオートクチュールのコレクションの裏側を覗き見るドキドキ感や、熱き職人魂にすっかり魅了されました。
クリスチャン・ディオールに新しいデザイナー ラフ・シモンズを迎えてから、コレクション当日までの8週間を追ったドキュメンタリーです。
デザインされるオートクチュールがほんとに素敵で、美しいドレスの数々を見るだけでも楽しいのですが、そのドレスができるまでの過程は闘いそのものであり、ディオールのアトリエで腕をふるうお針子たちの奮闘ぶりや、デザイナーとお針子の熱き情熱とプライドを賭けたギリギリのやりとり、そして、生地を選んで裁断し、1針1針手で縫い、ビーズや刺繍を施す、1着のドレスが生まれるまでを見せるので、好奇心が満たされます。
世界中で愛されるディオールを支えてるのがおばちゃん達というのも面白く、デザイナーとお針子達が互いにリスペクトし合い共に闘いながら、世界にたったひとつの手縫いのドレスを作り上げる、妥協を許さない職人の誇り高い仕事ぶりに魅せられました。
コレクション会場の演出も素敵で、オートクチュールの魅力を最大限に引き出すためには手間もお金も惜しまないこだわりや、自分と仲間への信頼感が最高の作品を生み出す、そんな手仕事の世界を興味深く見ることができました。
2015.3.21 シネ・リーブル梅田
【15-10】
