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ラビリンス/魔王の迷宮のtjZeroのレビュー・感想・評価

ラビリンス/魔王の迷宮(1986年製作の映画)
3.4
空想好きの少女サラは、不意に口にした禁断の呪文のせいで、幼い弟をゴブリンの魔王にさらわれてしまう。
彼を助け出すため、迷宮の冒険へ…。

監督は『セサミストリート』のジム・ヘンソン。
彼の創り出すマペットが多数登場。表情、そして愛くるしい動きから喚起されるイマジネーションも豊か。

対する、人間のキャストはたったふたり。
ただ、その両名が…
・サラ…現在でもほとんど”劣化”していない規格外の美少女、ジェニファー・コネリー
と、
・魔王…年齢も性別も飛び越えちゃったようなカリスマ、デヴィッド・ボウイ
なので、有象無象のクリーチャーたちと異形ぶりが充分拮抗していて、求心力の強いファンタジー世界を作り上げています。

『赤ずきん』、『シンデレラ』、『不思議の国のアリス』、『オズの魔法使い』…などなど、西洋には少女が異世界に迷いこむ物語が多いですねえ。

成長して大人の世界に飛びこんでいく期待や不安が、ファンタジーの世界と重ねられて描かれているのでしょう。

そうしたフィクションによって、子どもたちは現実世界の困難に立ち向かう精神の基盤を整え、大人たちは無防備だった頃のみずみずしい気持を思い出したりするのかもしれません。

フィクションによって精神の栄養を得る…って、他の動植物には出来ない、人間ならではの特技だと思うので、我々もいろんな映画を観てフィルマにどんどんレビューを上げていきましょう(笑)。
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