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魔界都市<新宿>のkoyamaxのレビュー・感想・評価

魔界都市<新宿>(1988年製作の映画)
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魔導士により外界と隔絶された「魔界都市」にされてしまった新宿。
その魔導士を倒すべく、高校生十六夜京也が魔都に乗り込んでいく。。
木刀一本で!^^;という話。。


川尻監督の外連味演出が光る一作。
ベースとして、グロさエロさを魅せつつも、
本当に魅せたいのは格好よさのほうで、二段階右折の末に現れる美しき景色や佇まいを目指しているところ。
その辺り屈折した美的感覚が好きです。

川尻演出の醍醐味は、アクションやエロスなどもありますが、
個人的には赤と青のコントラストなど印象的な色使いですね。

妖獣都市と比べると、エログロが抑えめ的な感じがありますが、
ヒロインが清楚なお嬢様なので、追いつめられた状況下での立ち振る舞い、
苦しみの描写などは「抑圧されたエロス」という感じで、艶があります。


木刀で戦う少年。というのも世界観と適合しているのよくわかりませんが、
あんまり違和感というか、そこの歪さは感じませんでした。。

メインの話も見応えありますが、
今作では、夜の新宿街散歩みたいな要素も見応えといっていいんじゃないでしょうか。
ダークファンタジー的な雰囲気と新宿の下世話な風景が一緒になっているので、夜の新宿を散歩するにも幻想的な味わいを感じます。

廃墟になった新宿描写が、割と具体的で、昔の新宿駅、住友三角ビルや新宿中央公園なんかが出てきたりするので、ああ、あの辺か。と思いながら観るのもなかなか楽しいです。
ラブホテルや地下鉄などを歩いたりと,ひとが居ない夜の四谷くらいから新宿までの道中記になっているので、
夜更かしして都市散歩するちょっぴり大人なロードムービー感もあって何かお得です^^

距離としてはそんなに長くないですが、、
まあ、そういう問題じゃないですけど。。^^;
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