ゲイリーゲイリー

グレイテスト・ショーマンのゲイリーゲイリーのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
2.0
やはりミュージカル映画は合わないなぁと実感。
感情の昂りとともに歌い出すのは分かるにしても、歌い出した時と歌い終わった後の感情の変化があまりにも激しすぎて違和感を覚えた。
落ち込んで歌い出したと思えば、歌い終わった時にはまるで問題などなかったかのように振る舞う。
そういった、感情の機微や変動こそ丁寧に描いてほしいと思ってしまうのだ。

また、ヒュー・ジャックマン演じたP・T・バーナムの人物像の再現性についてはさておき、彼の良い面ばかりにフォーカスし過ぎていたのも気になった部分の一つ。
社会的弱者や世間から疎まれていた人物達を見世物にするため、自身の博物館へとスカウトするシーンはあまりにもあっさりとし過ぎていたように感じた。

P・T・バーナムを良い人として描こうとすることにフォーカスするよりも、社会的弱者たちが自身と同じような境遇を持つ仲間たちをサーカスで得たことによって、自己肯定感や自信を持つに至る過程こそをフォーカスすべきだったのではと思ってしまう。
社会的弱者や世間的に疎まれた存在への差別や偏見、夢と現実、仕事や家族といったありとあらゆる要素を詰め込んではいたものの、どれもあまり深く掘り下げられていなかったのも残念だ。

とは言いつつも、歌自体や振り付けなどは非常に良かったと思う。
ヒュー・ジャックマンを筆頭に俳優陣の歌唱力も見事。
観賞後も頭に残った歌が何曲あった。