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アサシン クリードのTEPPEIのレビュー・感想・評価

アサシン クリード(2016年製作の映画)
1.2
アメリカにて初日に鑑賞。今思えばゲームの映画化で当たりが思いつかない。「バイオハザード」は興行というより勢いでズルズル続編作っているし、「ハウス・オブ・ザ・デッド」、「ウォークラフト」、「ストリート・ファイター」、「鉄拳」に関しては事故だ。その中でも極めて豪華なキャスト陣営と長い製作期間を経た「アサシン クリード」は世界的に有名なゲームで、プレイしたことはないが設定ぐらいは知っている。というのも、本作は完成までのトラブル続きがやけに取り上げれたからだ。監督交代、製作費の問題、プロデューサーも兼任のファスベンダーが多忙であったり、公開延期、さらには公開前の追加撮影など中々紆余曲折だ。マイケル・ファスベンダーにとっては念願の企画だったのだろう、「マクベス」に続いてジャスティン・カーゼル監督とタッグ、加えてマリオン・コティヤールの共演。トレーラー公開時にはゲームファンの反応も良かったし、映画ファンから見ても期待できそうな超大作だった。だが蓋を開けてみると、「ダサい」。一応アサシン集団とテンプル騎士団の戦いを描いているが暗殺というより、白昼堂々殺陣をやってるだけで、しかもである。マイケル・ファスベンダーの顔がよく見えないまま、よく見えない暗殺道具で流血なしで倒れる敵を見るだけである。とにかくこの映画、「盛り上がり」がない。アクションシーンが超つまらないのである。特に序盤の掴みも悪く、ストーリーが意味わからない。基本ロケーションが研究所と中世の二ヶ所なので軽く拷問である。ファスベンダー演じるカルの人物描写は陳腐そのもので全然格好よくないし、出番が少ない。極め付けはアクションも大してすごくないし、中世の建物や道具を活かさないで終始屋根をつたっているだけなのでショボい。ストーリーの無理さがアクションで補えていないという、ゲームの映画化でありがちなものであった。「ウォークラフト」はゲームファンからは好評な声もあったそうだが、本作も含め、「ゲームの再現」は映画ではない。「ゲームの再現」は「ゲームのストーリー」であり、プレイヤーはそれを体感するのであって、いざこうした物語となればそうなっても仕方ないだろう。「ウォークラフト」のダンカン・ジョーンズ監督といい本作のジャスティン・カーゼルといい、せっかく高い手腕を持つのにゲーム映画化となったら立ちはだかる課題だらけである。ゲーム会社のマーケティングも背景になるので好き勝手できる範囲が狭まるだが、長年の企画の結果がこれでは…。最近アルフレッドを演じたジェレミー・アイアンズが終始ただのジジイである。しかもちょっとオシャレなジジイ。ファスベンダーは何度も言うが、「顔が見えない笑」。ボーンシリーズでも同じように屋根の上を走っていたのに格好いいのは、俳優がしっかり見えているからだろう。いくらゲームの再現だからといっても、わざわざオリジナルキャラクターを作ったのだからフード被りながらの戦いどうにかならんのかってくらい。やはりお客の反応は良くなかった…アメリカのお客は正直である。この時期のアメリカは「SING」や「ローグ・ワン」といったライバルも多く、「アサシン クリード」は話題作かと思いきや客は冷めていたようだ。しかし今年最後の映画…と思うと本当に残念である。
総評として、「駄作」ってのが正直な感想…。何でこんな格好よくない映画になったのか謎で仕方ない。いくら先祖代々受け継がれた暗殺者集団だからといって、瞬間移動並みにいきなり遠い高い所にいるとかある意味ゲームよりゲームだよ。悪役不在に近い何の目的もわからない人達と、自称・暗殺者集団が暴行に走る映画である。しかも流血なしなので、R指定覚悟で会社もやりきってくれれば良かったのだけど…。面白くなかったなあ…。
今年の映画(去年公開だけど今年日本公開したやつは抜きに)ベスト3でやると。アニメが優秀だった。
ズートピア、モアナ、Kuboは文句なし。
実写はちょっと不振だったかも。サプライズとしては「ドント・ブリーズ」や「デッドプール」。ワーストとしては「バットマンvsスーパーマン」と本作。
スターを揃えてもゲームの映画化てやっぱ難しいんだな…と思える作品だった。
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