KouheiNakamura

ネオン・デーモンのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
3.8
月明かりに照らされて、微笑む君が悲しすぎる。


デンマークが誇る変態監督ニコラス・ウィンディング・レフンの最新作。モデル業界を舞台に、女たちの欲望や美に対する執着を描く。

いやはや前作「オンリー・ゴッド」は個人的にどストライクな映画だったので今回もレフン監督の変態性を期待して観に行ってみれば、さすがはレフン監督。今回も変態性・作家性が大爆発した怪作に仕上がっていました。

あらすじだけ見ると「ブラック・スワン」みたいな展開になるのかと思いきや…おお、そうきましたか!なストーリー。ホラーでもありスリラーでもある。さらにはちょっとダークコメディのようなところもある。レフン監督の「俺はこう撮りたいんだ!」という叫びがスクリーンから聴こえてくるようでした。
とにかく長〜い間の使い方やネオンカラーを多用したどぎつい映像、シンセサイザーによる音楽などどこを切ってもレフン一色。しばらくレフンはいいかな…となるほどの濃厚さ。レフン監督には決して丸くならずに、これからも我が道を突っ走ってほしいものです。

様々な女性が登場する映画ですが、僕は男なのでやはりカメラマン志望のディーン青年に感情移入してしまいました。彼が次第に成功していくジェシーについていけなくなるのは少し悲しかったです。

レフン監督の思う女性、美がパンパンに詰まった一本。強烈な映画が観たい方にオススメです。
KouheiNakamura

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