カツマ

ブルックリンのカツマのネタバレレビュー・内容・結末

ブルックリン(2015年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ブルックリンを目指す移民をテーマにしたお話。だと思って見てしまうと、この物語の本質は捉えられない。
この物語は1人の女性の成長と変化と決断をテーマにした物語だ。

彼女の心の揺れ動きをここまで露骨に再現できたことがこの映画の賞賛すべき点。序盤と終盤では主人公のキャラクターは大きく変わっており、見た人によっては嫌悪感を抱くことになる。
だが、これは人間なら自然な変化なのだ。ノンフィクション以上に現実的に人間の本質を描き出す。もし嫌悪感を感じるならば自分に投影してもう一度見返してみよう。きっと主人公のように一見醜いと思える感情の発露こそが人間の成長の仕方なのだと気づくはずだ。

選択と分岐点の連続、決断の大切さ。幸せになるための勇気、主人公の女性の苦悩と成長が生々しく伝わってくる名作。
演じるシアーシャローナンはこの作品でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。主人公の変貌を克明に描き出す見事な演技を見せている。
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