ゲイリーゲイリー

マイ・プレシャス・リストのゲイリーゲイリーのレビュー・感想・評価

マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)
3.0
ハーバード大学を飛び級で卒業するほどの天才である主人公。
そんな彼女が、カウンセラーから課されたリストを基に自身の幸せを模索していく。

本作を観てまず思ったのが、主人公の天才さを表す描写があまりにも少ないこと。
自身でIQ185だと自慢げに言うシーンや、知識を披露するシーンなどは散見されたものの、天才が取る言動とは思えないシーンが多々あった。

もちろん、それが悪いわけではないのだが、「クイーンズ・ギャンビット」や「グッド・ウィル・ハンティング」で描かれていたような、天才故の孤独や葛藤を期待していた分やや拍子抜けしたというのが素直な感想だ。

ただ、主人公が新たなステージに飛び込み、そこでもがきながらも懸命に前を向こうとする、ひたむきさには好感を抱いた。
特に、自身の弱さを克服すると同時に、譲れない自身の倫理観や美学を貫く姿勢は非常にカッコよく、見応えがある。

性に奔放な登場人物が多い本作で(やや多すぎる気もするが‥)、子供っぽすぎるや大人になれと罵倒されても、彼らの言い分には流されず、自身の幸せを見つけようとする主人公の姿に勇気付けられる方も多いのでは。