あなぐらむ

スター・ウォーズ/最後のジェダイのあなぐらむのレビュー・感想・評価

3.0
なんか深作さんが途中で降りたんで、降旗康男が代理で仕上げたみたいな鑑賞感だったわ。

これは送り出しの映画。深作さん降旗さんを出したのは主にケレン味格調の面で、どうしてもSWにつきまとう「優等生感」から逸脱したな、という意味。そこがJJとライアン・ジョンソンの監督としての質の違いだろうと思う。
これには製作のキャスリーン・ケネディの意向もかなり反映されているんじゃないか。オリジナルのローレンス・カスダンがまだコントロールしていた「フォースの覚醒」を、半ば反故にしてまでこれを作ったという事は考えてみないといけない。というか、JJが「フォースの覚醒」で模範解答を出してしまったんでね。
革新ではない。破壊なのかというと、そうでもないと思っていて、これは時代の要請なんじゃないか。
オリジナルが陳腐化しているという。JJほど、ジョンソンは優しくなかった。バッサリ行った。

この話ってハン達世代の責任というか、「ぼくたちの失敗」というか、そういう話だからなと。
「フォースの覚醒」「最後のジェダイ」は、"中途半端な成功体験"を得て育った大人がこういう子供を作る、っていう親子論映画なのだ(ジョージ・ルーカスの少年時代とその後の世代、というか)。だからレイとフィンという「捨て子」が作品の軸なのであり、育て方の失敗例として、カイロ・レンの様な息子を描いていく。それはアメリカが1970年代以降見せてきた歪みの、寓話的、端的な表現なのだ。そういう残酷な映画なのが、どうにも綺麗なヴィジュアルに滲んでいる。