KouheiNakamura

黄金のアデーレ 名画の帰還のKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

3.8
救えなかったもの、救われた魂。


クリムトの名画「黄金のアデーレ」にまつわる実話を映画化。ヘレン・ミレン、ライアン・レイノルズ主演。

戦時中のオーストリアと現在のオーストリア及びアメリカの場面を交互に描いていく構成。一人の女性が時代に翻弄されていくドラマとして見応えのある作り。さらに絵画の所有者をめぐる法廷劇でもあり、一人の弁護士の成長物語でもある。「マリリン 七日間の恋」でも的確な話運びを見せたサイモン・カーティス監督の演出手腕は今回も冴えている。ヘレン・ミレンのはまりっぷり、ライアン・レイノルズの真面目な好演ぶりも良し。
ナチスの爪痕は美術品にも及んでいたことがよく分かる、丁寧に作られた良作。おすすめです。
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