きんぽうげ

教授のおかしな妄想殺人のきんぽうげのレビュー・感想・評価

教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)
4.9
なんでこんなにたくさんの作品を供給できるのだろうか。ウディ-アレンは、ずっと見続けてきて、生存している数少ない監督のひとりである。精神分析や心理学が好きで、その作品群はそれらに基づいた内容やセリフが多い。今回も哲学の教授が主人公だ。お気に入りのホアキンーフェニックスを起用したのが肝である。まさに狂気と隣り合わせの役を演じさせたら、今随一ではあるまいか。そして相手はこれもお気に入りのエマ-ストーン。ひょんなきっかけから判事の噂を耳にし殺人に及び、それを知った彼女を消そうと試みる。ところが*・・・。話自体は緊張感を帯びそうだが、そこはウディ、軽い笑いを盛り込んだ。
稀有な話と言ってしまえば、それまでなのだけど、もともと映画は非日常の、自分の周りでは起き得ぬ話なのは当然なのではと弁護したくなる程、上手く出来ている。最後のセリフの本心も素敵に思えた。「実人生という体験でしか己の身は納得できない。」
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