きんぽうげ

ムーンライズ・キングダムのきんぽうげのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

イギリス映画である。やはり、独特の雰囲気がある。考えてみれば、英国もまた島国であり、この国の地形は様々で起伏に富んでいる。その事を改めて教えてくれただけでもよろしいのではないか。つまり、自然が残っているということだ。その自然と仲良くするためには、知らなくてはならない最低限のルールがある。それを学ぶためにボーイスカウトの存在がある。それを主体にしたドラマである。
一人の少年隊員が脱走するところから話は始まり、いわば、嫌われ者同志が逃避行し、大人がそれを追いかけるという図式である。そこに、それぞれの生い立ちが絡み、人の好き嫌いが交錯する。
主人公は、両親がいない。しかも、幼い時からいない。その感覚は自分には掴む事は、もはやできない。環境だからだ。自分が作り上げた世界とは異なる。だから、影響を受けてきた経験は、全くなかったという事になる。これは、孤独を知らない事とイコールであるかもしれない。だから、当然の事、寂しさは知らないのである。それが、助けとなっているかは不明ではあるけれど、人と付き合う場合の助けになっているのだろう。恋心というのも、そんなには強くなかった。
普通の感覚でああいう子供がいたのならば、どう、自分は接するのだろうか。あの娘の感覚は、そんなには苦手では無いと思う。物語の主人公に成り切れるという事は素晴らしい事だ。少年の感覚も、そんなには嫌いではないし、頭が良い事は、良い方向に使うのなら、面白さに繋がっていく。
最終的に辿りついた入り江に、自分もテント張りたくなったなあ。素敵な場所だ。
ラストシーンも気にいていて、ブルースーウィルスがイギリス映画?という気持ちはあったけれど、なかなか、里親として立候補する所は泣けてしまった。ビルーマレーの家族もユニークで、メガフォンで子供達を集めるのは面白かった。
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