DCの救いの女神
並み居る対策を蹴散らし、アメリカでは今年最高のヒットを記録している「ワンダーウーマン」はマーベル一強に傾きつつあるヒーロー映画の風穴をぶちあけるDC作品の起爆剤となるのかもしれない。
世間の評判はかなりよろしくない「バットマンvsスーパーマン」で突如として現れたこの謎のキャラクターは、主役2人を食う存在感を見せつけた。
演じるガル・ガドットがこれまたワンダーウーマンを絵に描いたような素晴らしい女優さんで、彼女が戦場を突き進みながら敵を蹴散らしていく中盤のアクションシーンだけでも劇場で観た価値があったと感じるほど。
アクションシーンばかりが目立つのではなく、女だらけの島から飛び出した彼女が、社会のギャップに驚くシーンなどくすりと笑える場面もあり、ユーモアとシリアスのバランスが良い。
アイスクリームを食べた時の表情がとびきり素晴らしく、本作屈指の萌えポイントとなっている。
後半は人間の愚かさを目の当たりにしたワンダーウーマンが、それをどう乗り越えていくのか、というドラマとしても見応えのある展開が用意されている。
単体作品としてかなり面白かっただけに「ジャスティスリーグ」の完成度が不安だなぁ…。