KouheiNakamura

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

4.0
我はフォースと共に、フォースは我と共に…。


言わずと知れた超有名映画シリーズ、スターウォーズ。権利がディズニーに渡ってからは毎年映画館でスターウォーズが観られると言う、まさに夢のような時代。正史であるエピソード7・8・9の公開の合間にスピンオフとして外伝をやる。本作はそんなスピンオフシリーズの第1作。
描かれるのは記念すべき第1作目のスターウォーズのOPクレジットで語られた、反乱軍が帝国軍に勝利を収めデス・スターの設計図を手に入れたあの逸話。絶望的な戦局の中、ローグ・ワン=ならず者部隊の決死の戦いが始まる…。

監督は2014年ハリウッド版ゴジラのギャレス・エドワーズ。フェリシティ・ジョーンズ、フォレスト・ウィテカー、マッツ・ミケルセン、ドニー・イェンら豪華キャストがスターウォーズ・サーガの新たな1ページを彩る。

…ううむ、困った。いやこの映画、いわゆるスターウォーズファンの期待にはしっかり応えてくれた作品だとは思うんです。色々な制限はありながらも結末の決まったストーリーをドラマチックに描き、見たかったあいつらの活躍を見せ、知られざるあいつらの奮闘に涙できる…そういう、シリーズファンへの心配りは本当に見事だと思うんです。思うんですが…。
正直に言います。この映画、前半部分がかなり鈍重なテンポで話の整理も上手くないので、結構退屈です。ローグ・ワンメンバーのキャラクター紹介も妙にぶつ切りなため、感情が乗せづらい。キャラの生い立ちをセリフで説明してしまったり、場面の切り替わりが雑だったりしてどうにも盛り上がりません。
が、しかし。後半になってからは素晴らしいアクションや、生き生きとしたキャラクターのやりとりに一気に持っていかれます。エンディングからエンドロールまでの流れは完璧に近いです。観終わった後は良い映画を観た、という感情が起こりやすいです。

でも、だからこそやはり一本の映画としては不出来な部分も少なからず目についてしまうのが惜しくもあるのです。ファンの欲目を差し引いても、もっと良くできたであろう場面が多かったことは否めません。凄く好きな場面もあるし、ダメな場面もある。この不完全さがそのままローグ・ワンメンバーの不完全さだと言えばそうなんでしょうが…。個人的には諸手を挙げて賞賛できる作品ではありませんでした。

なんて文句を言いながらも、やっぱり全盛期バリバリのダースベイダーの恐ろしさや帝国軍兵器の脅威、そしてドニー師父演じるチアルートの崇高さにはグッときました。あと何回か観ると思います。
ぜひ劇場で、ご覧ください。
KouheiNakamura

KouheiNakamura