けんたろう

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破のけんたろうのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

人を食うおはなし。


冒頭に出てくる使徒の、光も歪めるほどのATフィールドに驚いた。
そもそもATフィールドというものの実を知らないが、ブラックホールのような絵面から、この使徒はとんでもない質量をお持ちなのでは、と推測できる。
こんなものが冒頭に出てくるのならば、後に出てくるであろう、もっと強い使徒に果たして勝てるのかという疑問が起こる。冒頭から既に絶望。


ただ、その後のストーリーは前作『序』では描き切れなかった世界観を掴まさせ、前作『序』よりも豊かな青春ドラマを映し出していたため、前作とは打って変わって丁寧な仕上がりであり、すごく溶け込みやすかった。

また、決意したシンジ君の元には女が沢山集まり、まさかのハーレムが始まり、ゲンドウ父さんとの、つまり親子の確執は解消の道を歩み始めるという、前作からは到底想像できない幸せ展開。

…これは嫌な予感が込上げる。
…的中してほしくなかった予感は見事に的中。
…訪れる突然の悲劇。
…もう皆さん勘弁してください。


うぅ…エヴァの操縦者はそれぞれの内に孤独を感じ、仮初にも癒そうとする姿はなんとも愛おしかったんだ。
それがこんな事になろうとは…( ´ ᐞ ` )
あぁ…どうか彼らに幸多からんことを。



ここからは終わりの辺りについて書こうと思う。

終盤、天使の輪が現れることから、このエヴァの世界には、日本というよりも西洋の宗教観がこびり付いていることが分かる。
(使徒や十字架で気がつくべきだった。)
とすると、この舞台はきっと、神は人間を創り、人間は人造人間を創ったという世界なのだろう。そこまではいい。
(いや良くない。訳が分からない。)

だが、その人造人間が、人間を飛び越えて神に…というのはもう理解不能。
いやそもそも訳の分からないことは挙げればキリがないほど沢山ある。その多大な謎を背負いながらも誤魔化しながら、『序』と併せて206分間のミニマムなドラマを見てきたのだ。
今更なんだなんだと慌ててもしょうがない。
甘んじて、その神とやらを見ていよう。


…と思ったのだが、まぁ凄い。
ひとまずエンドロールで流れる宇多田ヒカルの主題歌だ。これがもう本当に心を掴んで離さず、映画の謎を全て解き明かしてくれるかのような感覚に陥る。
「beautiful world」の、(この2作目ではなんちゃらMixらしく、まぁよく分からないが、)虜になってしまった。

いやそれはいい、問題はエンドロールの後に流れるおまけ映像、そしてそれに続く次回予告だ!!!
あーーーーなんてこったい!!!
なんてこったーーーーい!!!!
もう観なければ。『Q』を観なければ。なんで『急』でないのかは分からないが取り敢えず観なければ!!!!

焦燥に駆られ、僕はデッキを開いた。残り1作。