あっきー

グランド・ジョーのあっきーのレビュー・感想・評価

グランド・ジョー(2013年製作の映画)
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これは、確かにニコラス・ケイジの演技が素晴らしい。アメリカ南部の田舎で働く貧困層の白人労働者で根っからの優しさもありつつ、暴力や欲望を抑制しながら生きる男ジョー。その複雑な人間性を、役に溶け込む名演技で表現している。
そんなジョーと心通わせる15歳の少年ゲイリーを演じたタイ・シェリダンも素晴らしい。最近のバリー・コーガンも連想させる。

映画自体は、あまり愉快ではない描写が多いので見ていて辛くなる。不器用な男と少年の交流物語というのも珍しくはないし、本作でジョーとゲイリーがなぜ惹かれ合うのかも分からない。
ラストシーンは素晴らしかった。設定を生かしたあのショット。

ジョーは、伐採する木に斧で毒を打ち込んで枯れさせるという仕事をしているが、こんなやり方があるなんて初めて知った。どうやら土地の持ち主が伐採するのに、枯れさせておけば都合が良いとのこと。社会問題も描きつつ、ジョーのキャラクター設定にもうまく生きている。
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