たけちゃん

セルフレス/覚醒した記憶のたけちゃんのレビュー・感想・評価

セルフレス/覚醒した記憶(2015年製作の映画)
3.8
年老いた肉体を新たなものへと脱皮!


ターセム・シン監督 2016年制作
主演ライアン・レイノルズ、ベン・キングスレー


ターセム・シン監督作には縁がなく、ジェニファー・ロペス目当てで「セル」は観てたけど、あまり面白かった印象はない。でも、「落下の王国(The Fall)」や「白雪姫と鏡の女王(Mirror Mirror)」など、他にも観たい作品はありますね!



この作品、意外と良かったですよ。

年老いて病に命を奪われる老人が、若い体を手に入れて人生を生き直せるとしたら?そんなファンタジーなアイデアによる作品。

この世の全てを手に入れたと考える者も命の寿命には勝てない。だからこそ、昔から権力者は永遠の命、不老不死を求めるのだ!


僕自身、ターセム・シン監督の作品をほとんど知らないので、過去作との比較もない。だから、きっと作品本体を単純に楽しめたのだと思う。

だから、ターセム監督の代名詞的な映像で魅せる作品を求めると裏切られるのかもね。




NYを作った男と呼ばれる建築王のダミアン(ベン・キングスレー)は、末期癌により余命半年の命。そこで、クローン培養された新しい体に自分を乗り換える手術を受け、新しい人生を踏み出す決心をする。

新しい体はエドワード(エディ)・キドナー(ライアン・レイノルズ)。実は元、特殊部隊の軍人。

しかし、そこには思わぬ嘘が隠されていた…。





以下、ネタバレで解説(≧∇≦)b




主人公のダミアンは、才能はあるけどお金持ちの鼻持ちならない奴で、仕事一途に生きてきたから、一人娘とも上手くいってないんだ。

でも、病気になって、自分の命が惜しくなって、金にものを言わせて命を買うという話だよね。そもそも動機が利己的!


逆にマークは、病気の娘のために自分の命を売った男。残された家族がどんな思いをするのかが分かっていない。

2人とも他人の気持ちが分からないとも言える。


ダミアンはマークの家族に出会い、自分の失った娘との関係を取り戻すかのように接して行く。そして、命を狙われる2人を守るために戦う。


敵を退け、平和を掴んだと思うダミアンは、ある決心をする。

それは、愛する者のために自分を犠牲にして家族にマークを返してあげる究極の決断だった!

そこに生前のダミアンの姿はない!



原タイトルは「SELF / LESS」
自分を失うという感じかな?
ラストで薬を服用せず、自分が次第に消えていく様子が、まさにセルフ/レスな姿。そんな風に思いましたよ!

考えさせるいい映画でしたね。