期待通りに期待通りなボクシング映画。頂点にいた男がある悲劇に見舞われ一度はどん底に落ちるも、再起する。うーん…今まで何度も見てきたプロットです。しかし、王道はちゃんと面白いから王道なのだと改めて感じました。
「イコライザー」で堅実に描写を積み重ねて見せ場はケレン味を効かせる演出スタイルを確立したアントワン・フークア監督、今回も流石の安定感。特に主人公と妻の関係をじっくり見せる前半部分は繊細な演出が光るいい場面でした。
そして、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのジェイク・ギレンホール！「ナイトクローラー」で見せた狂気を今回は封印し、短気なところが玉に瑕なボクサーに変身。拳でしか生きられない男の悲哀が滲む演技が渋いです。身体の作りこみも完璧。
怒りとの向き合い方、喪失感をいかに克服するか？考えさせられました。しっかりカタルシスをもたらしてくれる良作です。
