ショウコ

父を探してのショウコのレビュー・感想・評価

父を探して(2013年製作の映画)
3.6
台詞は無し。手描きの粗さを残しつつデジタル加工してあります。パステルカラーは美しいんですがスーパー簡略化されたイラストは棒人間のパラパラ漫画みたいだし余白だらけ。日本の細かな作画に慣れた身にはツラいなこりゃ💦と思ったけれど話が進むにつれて絵は複雑になってくる。コラージュも使われ出ししまいにゃ実写映像まで挟まれる

これは、時代が進むにつれて社会が煩雑になっていく…という表現

父の捜索って邦題は忘れた方が良さそうです。ド田舎に住む子供が社会見学を重ねブラジル社会の暗部を知っていく風刺アニメ。キツい綿花産業の仕事すら機械によって奪われ、進む都市化で人々の心は荒み個性も消えていく…

怪獣のようなマシンに森林が伐採され黒い煙が立ち上る感じ手塚治虫の漫画でよく見た。発展と引き換えに失われるものを惜しむ気持ちはどの国も一緒って事か

たぶんこの少年の視点ってのはそのまんま私の視点だ。おめー外に居てなんも知らないだろと現実を突き付けられ、自分の未来をも見せられた彼のやるせなさに同調してしまい陰鬱な気分になった。かわいい顔して抉ってくんなこんにゃろー
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