Omizu

愛のように感じたのOmizuのレビュー・感想・評価

愛のように感じた(2013年製作の映画)
3.7
『17歳の瞳に映る世界』のエリザ・ヒットマンの長編一作目。若手の登竜門とされるロッテルダム映画祭コンペに選出、サンダンス映画祭の若手部門にも選出された作品。

長編二作目の『ブルックリンの片隅で』と構造や作風はすごく似てる。異常なほど人物に密着したカメラや若者のモラトリアムな心情に寄り添った繊細な描写などなど。そして『17歳の瞳に映る世界』ではそれを一貫してやりつつもより大衆向けにステップアップしたことが本作を見るとよく分かる。

ライラの背伸びは見ていて痛々しく、軽くヤれるだけの女しかいらないサミーにとってはライラの自分への感情は重いのだろう。

でもこういうの、誰しも経験あるんじゃないかな。少なくとも僕はある。恋人がいると見栄をはってみたり、無理して酒を飲んで人に吐かせてもらったり。

客観的にみればライラはかなり厄介な、こじれた女の子なんだけど、エリザ・ヒットマン監督はこの子に寄り添って温かみを持って描いている。そこに僕はすごく好感を持ったし素晴らしいと思った。

『ブルックリンの片隅で』『17歳の瞳に映る世界』とステップアップしていく原点をみるという意味で一見の価値あり。
Omizu

Omizu