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雲の屑のwigglingのレビュー・感想・評価

雲の屑(2015年製作の映画)
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2013年の『ぽんぽん』を観て一発でファンになった中村佑太郎監督の最新作にして多摩美大の卒制作品。今年の東京学生映画祭でぶっちぎりでグランプリ受賞、大林宣彦も激賞ということで期待していた作品。

過去作を観たことあるならわかるとおり、本作も救いようのない若者たちを描いた群像劇です。高校時代のスクールカーストが大人になってもそのまま続いている地方でのお話なんだけど、とにかくいじめ描写がキツくてね…。服従させることが目的の陰湿で執拗な暴力ほど嫌なものはないわけで。性暴力も当然のように描かれてるし、観ているだけで落ちてしまう。

でもそれは表現として成功しているからであって、たとえ目を背けたくなるようなものでも、それを徹底してリアルに描かなければ何かを伝えることはできないんだよね。
そんな愛なき世界を救うのは、やはり愛なんだろうと。中村監督自らが演じる小男のシーンはそれを暗示するものと解釈。

中村監督作品の常連歌手、町あかりの昭和感のある艶かしい歌声が作品に奇妙な湿度を与えてて、それもひとつの見所です。