この世から男という生き物がいなくなれば、世界はずっと良くなるという確信がある。政治腐敗、戦争、経済格差、人種差別、世界で起きている悪しき事柄はべて男の仕業だもんね。
それは自分たちが愛する映画の世界も>>続きを読む
名優ハリー・ディーン・スタントンの遺作にして、全映画ファン宛の遺書ともいえる作品。『パリ・テキサス』以来、アメリカ西部を体現する俳優と位置付けられるようになった彼が、死を目前に何を思うのか。
ハリー>>続きを読む
心の赴くままに好意を行動で示すことができる鹿に比べ、人間はなんて複雑で面倒臭いことになってしまったのだろう。そんな第一印象。
静謐な語り口が実に饒舌に二人の心情の揺らぎを映し出す。舞台である食肉処理>>続きを読む
まず題名、それだけ見ても何の映画なのかわからない。分かりやすいだけで気骨のかけらもない題名ばかりの昨今、異物感たっぷりで素晴らしい。タイトルイメージと題名の字面が見事に補完しあい、この映画が何であるの>>続きを読む
TCX & Dolby Atmosシアターをチョイス。この環境を初めて体験するのにふさわしい作品かと。
前作『セッション』を素直に楽しめなかった自分には、これまた困ってしまう作品だなぁと。
や、めち>>続きを読む
YCAMシネマの藤田敏八特集にて。アメリカン・ニューシネマの色濃い影響がうかがえる1973年の作品です。
行くあてのない三人の男女の無軌道な漂流を描いた青春映画。社会に背を向け、社会からも黙殺される>>続きを読む
若い頃の自分に映画の観方を教えてくれた作品のひとつです。"Don't Think! Feel"的な。
でもいま観ると、それほど難解な内容ではないなとも。
今回はYCAMシネマの藤田敏八の特集上映で、>>続きを読む
寺尾次郎さんによる2016年新訳にて。これも何度観たか覚えてませんが、『勝手にしやがれ』よりは多いはず。
最初に観たのは20代だったと思いますが、その時は1ミリも分かりませんでした。ポップアート的な>>続きを読む
寺尾次郎さんによる2016年新訳にて。何度目の鑑賞かはよくわかりません。
映画作りに革命を起こした作品として有名ですけど、もしリアルタイムで観てたら作り手でなくても相当な衝撃だったでしょうね。
なに>>続きを読む
マニラのスラム街を舞台に、組織の女を奪って逃避行する殺し屋の物語が台詞無しで描かれる。
良くも悪くも長尺ミュージックビデオかな。
殺し屋役の浅野忠信の存在感は素晴らしいんだけど、それ以外はかなり残念>>続きを読む
この少し前に同じデトロイトを舞台にした『ドント・ブリーズ』を観たせいで、あの荒廃感が強烈に印象に残っている状態での鑑賞。
そういえば次作『イット・フォローズ』もデトロイトだったなと思ったら、監督の出>>続きを読む
死者と生者が同じ世界に棲んでる映画、いまブームなんですかね。『岸辺の旅』とか『母と暮せば』とか。
本作もそんな映画なんだけど、タイトルの通り死者の世界と生者の世界が入れ子になってて、両者の境界は曖昧>>続きを読む
いまおかしんじ監督『あなたを待っています』と併映の短編。主演は同じく山本ロザ、監督・脚本は守屋文雄。
結婚したばかりのひとみ(山本ロザ)は、いつからか疎遠になってしまった姉の家を夫婦で突如訪ね驚かせ>>続きを読む
いまおかしんじ監督作品を観るのは『UNDERWATER LOVE おんなの河童』以来かな。
その脚本をやってる守屋文雄が俳優で出てて、企画・原案がいましろたかし、主演が大橋裕之、プロデュースが松江哲明>>続きを読む
マナー激悪の週末繁華街深夜のシネコン客をシンとさせちゃいましたよ。お見事という他ない。
ジジイの人物造形の勝利ですな。
こういうキャラクターって意外とキチンとした生活をしてる頭のいい人間だったりする>>続きを読む
MOOSIC LAB 2016『愛のマーチ』と併映。
幸洋子監督とミュージシャン食品まつりのコラボ短編作品。
二人が銭湯に浸かりながら駄話をしてる体で、映像は話の内容にあわせてCGを使ってコラージュ>>続きを読む
何も感じ取ることができなかった...
ひたすら苦痛な60分だった...
MOOSIC LABとは相性が悪い状態がしばらく続いてて、その先入観が影響してるのかもしれないけど。
笹口騒音ハーモニカの新>>続きを読む
キアロスタミの遺作にしてまさかの日本映画(フランスとの合作)。
そして、自分が初めてクラウドファンディングで応援した映画作品でもあります(極少額ですが)。それが遺作になったことには感慨もひとしお。>>続きを読む
衝撃度の高さではキアロスタミ作品のなかでいちばんかも。型破りすぎなうえに、おそろしく奇妙な作品です。
『そして人生はつづく』の前に撮ってることから、本作を起点に虚実が交錯する彼独特の作風が始まったのだ>>続きを読む
これは初鑑賞。ずっと観たかったので本当にありがたい。
イスラム革命そして対イラク戦争後の教育制度に疑問を感じるキアロスタミ監督が、子供達に直接インタビューする模様をおさめた作品。子供たちの受け応えや>>続きを読む
『クローズ・アップ』でも引用されるキアロスタミの初期中編作。
サブジアンが、自分は『トラベラー』の少年と同じなのだと、貧困故に嘘をついてしまったのだというやつ。
サッカーに夢中な10歳のハッサン少年>>続きを読む
キアロスタミのデビュー短編作。
狭い裏路地を歩く少年が怖い犬に道を塞がれ困ってしまうという小さな物語。
不安に満ちた少年の顔を映すシーンに多くの時間が割かれてるのが大変に良いです。
例によってこれも>>続きを読む
ジグザグ道三部作の三作目。『そして人生はつづく』の1シーン、地震の翌日に結婚式を挙げたカップルの撮影風景が舞台になっている。
『そして...』はドキュメンターを装ったフィクション映画、そのメイキングの>>続きを読む
ジグザグ道三部作の二作目。キアロスタミの摩訶不思議な映画作法が世界を驚かせた作品であり、道が主人公というたいへん珍しい映画です。
『友だちのうちはどこ?』のロケ地で、多くの出演者が住むイラン北部のコ>>続きを読む
ほんとうはユーロスペースの特集上映「キアロスタミ全仕事」で全作品コンプしたかったんだけど、地方者にはそれも厳しく。ほどなくして京都みなみ会館でも追悼特集が行われることになり、念願の再鑑賞が叶いました。>>続きを読む
登山に取り憑かれた男たちが、難攻不落と言われるヒマラヤ・メルー峠のシャークスフィンに挑む姿を記録したドキュメンタリー。
シャークスフィン(サメの背びれ)とはよく言ったもので、あの形をした絶壁がオーバ>>続きを読む
京都シネマのワーナー・ブラザース特集にて。
たいへん人気の高い作品ですが、自分はこれが初鑑賞。なるほど、こういうお話でしたか。もっとベタな感動巨編を想像してたこともあり、その端正な語り口に感心しまし>>続きを読む
村山聖の出身地ということで、広島ではロングラン上映。おかげで観ることができたんだけど、ホント観逃さなくて良かった。
これ『ピンポン』の将棋版ですよね。
羽生の「深く潜りすぎて怖くなる事がある。聖君と>>続きを読む
『私が、生きる肌』ぶりに観るアルモドバル作品は、変態度低い方のラインでした。
ファーストショットから目の覚めるような鮮やかな赤。以前の色調というか感触とは違ってて、明らかにデジタルの映像なんですね。>>続きを読む
これほど「秋」というタイトルがふさわしい映画はなかなかない。枯葉色に染まる情景と、人生の秋を迎えた者たち、そのすべてが陰鬱な冬を迎える気満々。
そんなショボくれたお話なので、大して面白いものではない>>続きを読む
危険な映画だ。女という生き物の恐ろしさ、わけの分からなさを描いた作品とも取れるが、もっと広い解釈もできる。それについては後述。
評判は聞いててずっと観たかったけど機会がなく、立誠シネマで毎年末上映し>>続きを読む
特集上映ハッピー・ハマグチ・アワーにて久々の再鑑賞。3度目かな。
最初に観たのは「濱口竜介プロスペクティヴ」(2013)で、あまりの面白さに腰を抜かしたものです。しかも東京藝術大学大学院の修了作品な>>続きを読む
特集上映ハッピー・ハマグチ・アワーにて久々の再鑑賞。long ver.の方。
濱口監督が映研時代に撮った8ミリ作品にしてデビュー作。なので技術的な稚拙さはあるものの、この時点で現在の濱口竜介につなが>>続きを読む
特集上映ハッピー・ハマグチ・アワーにて。
『ハッピーアワー』のクラウドファンディングへの参加者特典として企画された作品。現時点での最新作ということになりますね。
これが実に不思議な作品で、観るものを>>続きを読む
特集上映ハッピー・ハマグチ・アワーにて久々の再鑑賞。
今回は京都の立誠シネマで観たのですが、その日の編成は岡部尚の出演作品を集めたものだったようで、彼にはそれほど注目していなかったこともあり新鮮でし>>続きを読む
多くの方が指摘するように『グラン・トリノ』インスパイアなプロット。それでもというか、だからというか、北欧テイストも相まって観応えのある作品でした。
高齢化が進むご時世のせいか、こういうお話に共感が集>>続きを読む