爆裂BOX

シャドウ・スナイパーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

シャドウ・スナイパー(2015年製作の映画)
3.0
会議の為、深夜に車で出かけたホルヘとサンドラ。途中、ガソリンスタンドで給油をし会計に向う。だが、店内に人の気配がないので仕方なく外に出ようとすると…というストーリー。
深夜のガソリンスタンドに立ち寄った男女が謎のスナイパーに狙われるサスペンススリラー。
ホルヘが店を出ようとしたところ、いきなり腕を狙撃されてしまう。慌てて店内に隠れるホルヘだが、何も知らず店内に入って来たサンドラは無残にも射殺されてしまう、という内容です。
序盤数十分を除いてほぼ全編ガソリンスタンドの店内で展開するソリッドシュチエーション・スリラーですが、冒頭、サンドラが目覚めて恋人に見送られながら同僚で不倫相手でもあるホルヘと車で合流して口げんかしたりイチャイチャしたりしながら進むので、サンドラ主人公かと思わせてホルヘの方が主人公でサンドラがアッサリ退場する所は面白いですね。
店を出ようとしたホルヘがいきなり腕を撃たれる所は突然非日常な状況へ放り込まれた感じが出てて良かったですね。舞台になるガソリンスタンドも人里離れた場所にある訳じゃなくて、結構町中にあるのも妙に新鮮に感じました。撃たれたホルヘが服脱いで、止血帯にするためシャツ破ろうとして上手く破れない所は妙にリアルに感じました。
サンドラが殺され、身動き取れなくなったホルヘは店内に籠城することになりますが、一応、商品棚動かしてバリケードにしながら店内移動したり、落ちてる携帯や外れたバッテリー取ろうとしたり、店内の電気パチパチつけたり消したりしてSOS発信したりしますが、基本的に放心状態になってるかこわごわ窓から外の様子覗いてるかで積極的に店内のもの使って助かろうと行動したりしないのでダレてきますね。やっぱりこういうソリッドシュチエーション物は脱出の為に色々試行錯誤して貰わないと盛り上がりませんね。
立ち寄り客や酔っ払いがスタンドを訪れますが、次々殺されていきます。酔っ払いとは会話したりしますが、すぐ殺されていくので、もうちょっと立ち寄る人の人数増やして主人公と絡んでいけばダレずに盛り上がったかな、とも思いますね。酔っ払いの片割れが先に殺されたことを、持ってた酒瓶がコロコロ地面転がる所映すことで表してたのは上手いなと思いまし亜T。終盤立ち寄った夫婦の妻が夫が殺されたの見てすぐ逃げだしたと思ったら立ち止まって「何でだ?」と思ったら後部座席に娘がいたからと分る所は「ああ…」と思いました。
その娘ちゃんに窓越しに携帯で助けを呼ぶように紙に書いて伝言する所は割と盛り上がりました。
スナイパーの正体や動機等は最後まで一切描かれませんが、ブギーマンの一種というか、あくまで舞台設定の一つに感じて個人的にはそんな気にならなかったかな。ホルヘが店内の食料や飲み物飲むシーンと合わせてスナイパーが用意した食料食べたり飲み物飲むシーン描く所は立場は違うのに同じ行動取ってると感じさせてちょっと面白かった。直接的な描写は無いですが、子供にも容赦しない奴のようですね。最後スタンドに姿現したのは角度的に高所からでは狙えなかったからか。
ただ、このラストはあんまりでしょう…ハッピーであれバッドであれちゃんと決着までは描いてほしかった。決着前で終わらすのは流石になしでしょ…
無名の新人監督の低予算デビュー作としてはまあ頑張った方かなぁ…アレクサンドル・アジャ製作、フランク・カルフン監督の「P2」コンビでリメイクされて、日本でも2月に「ハンテッド 狩られる夜」のタイトルで公開されるそうで、そちらは今作より評判いいみたいだから一応期待しとくかな…