マヒロ

ワイルド・スピード ICE BREAKのマヒロのレビュー・感想・評価

4.0
作品を重ねるごとに面白くなっていくワイルドスピードシリーズ、今作も安定の最高傑作更新。

事あるごとにファミリーファミリー言っていたドム(ヴィン・ディーゼル)が、突然仲間を裏切るという展開で、何故彼がそんな行動を?という所で物語を引っ張っていく…のかと思ったらそこら辺は割と早々に明かされ、結局いつものアクションのつるべ打ちという感じ。

ただそのアクションが素晴らしく、8作も続いているのにマンネリを感じさせないアイデアの数々が素晴らしい。

誇張が過ぎて最早怪人の様になっているドウェイン・ジョンソンのトンデモ筋肉アクション(彼に胸ぐらを掴まれた人間が地面と水平に持ち上げられる所は笑ってしまった)に始まり、前作から一転共闘する身になり、キャラがだいぶマイルドに改変されたステイサムの子守バトルはこれだけで一本観たい面白さだったし、邦題にも冠された氷上でのカーチェイスのめちゃくちゃっぷり、そしてなにより、NYのシークエンスにおける「車のゾンビ」とかいう常人にはとても考えつかない斬新すぎるやり方には度肝を抜かれた。

世界各国を飛び回ったり、緊迫した場面でも軽口を叩いていたり、あっと驚くガジェットが出てくる点から、このシリーズは無茶苦茶だった頃の『007』シリーズの匂いがする。一人で行動して女をこましている『007』と、大切なのはダチとオンナみたいなノリの『ワイルドスピード』の違いがそのままお国柄の違いみたいで面白い。

(2017.88)[17]
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